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<千歳 航空人を育てる>上 接客・語学 質の高さ強み

 「客室乗務員(CA)になれます」。9月、新千歳空港を抱える千歳市の専門学校「日本航空大学校北海道」で、国際航空ビジネス科の女子学生5人が声を弾ませた。新型コロナウイルスの世界的流行を受け、航空業界が新卒採用を大幅に減らす中、同じ国内航空会社から内定を得た。菅原久美学科長(59)は1人ずつ抱きしめ、涙をこぼした。

 2年の菅原七望(ななみ)さん(19)=函館市出身=は化粧品業界への就職を一時考えたが、採用試験に挑み、夢をかなえた。「休日も面接アドバイスで支えてくれた先生のおかげ」と感謝する。

■機内火災再現

 国際航空ビジネス科は留学するコース(3年制)を除き2年制で、148人が在籍。英語は最大で週15時間指導し、中国語や韓国語も教える。実習では空港カウンターや機内アナウンスを想定し、会話力を養う。

 10月上旬、校内で行われた緊急脱出訓練。旅客機エアバスA330をモデルにした全長17メートル、幅7メートルの「モックアップ」(実物大の模型)を使い、火災で煙が漂う機内を再現した。避難誘導を呼びかける学生の表情が緊張でこわばる。CA出身の菅原学科長から「おなかから声を出して。お客さまの命を預かっているのだから」と声が飛んだ。

 卒業生は約220人がCAやグランドスタッフ(地上職)として活躍する。今春からAIRDO(エア・ドゥ)に勤める溝井きらりさん(21)は「実習で身に付けた緊急時の対応や先生の経験談が、入社直後の訓練でも生きた」と振り返る。スカイマークも「優秀な人材が多い」と評価する。

■海外にも視線

 就職活動を控える1年生の中には、日本よりも先に観光需要が回復している海外に目を向ける学生もいる。高校時代にメキシコ留学の経験のある東瑠衣(ひがしるい)さん(19)=札幌市出身=は中東の航空会社を目指す。「多国籍のCAが働く職場に憧れる。自分の強みの英語とスペイン語を生かしたい」と将来の夢を語る。

 2020年度はコロナ下でも卒業生の半数以上が航空業界に就職する一方、その他は自動車や建設、銀行など多岐にわたる。胆振管内洞爺湖町のホテルで働く渋谷たまきさん(20)は「機内サービス実習は、お客さまの期待に応える接客の仕事にもつながっている」と話す。梅沢忠弘学長(41)も「質の高い接客技術や語学力は、どの業界でも強みになる」と強調する。

 学校法人日本航空学園(山梨県)が1988年に日本航空学園千歳校として開学し、今年4月に現在の校名に変更した。CAをはじめ「航空人」の育成に向け、地道な教育を続けている。(千歳支局の中川渚が担当し、3回連載します)

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