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2021衆院選 地方政策 分権論議どこへ行った

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 出口の見えない新型コロナウイルス禍で地方の疲弊は一段と加速した。自治体は地域の保健医療と経済の立て直しに追われている。

 各党は地方向け政策でコロナ対策への注力を競っている。危機的状況の自治体や住民に国が手を差し伸べるのは当然だ。

 ただ、コロナは地域で感染状況が異なる。全国一律ではなく地域の事情に精通した自治体が政策を迅速に講じる体制が求められる。

 そのためには地方分権の推進が欠かせない。コロナ対策にとどまらず、住民生活全般に関わる権限と財源を、国から自治体に移譲することを改めて検討するべきだ。

 第2次安倍晋三政権と菅義偉政権は地方創生を看板政策に掲げたが、東京一極集中に歯止めはかからず、地域の活性化に結び付いたとは言えない。

 国と地方の関係を対等とした地方分権一括法が2000年に施行されてから20年以上が過ぎた。

 自民党も道州制の推進を掲げ、分権論議が活発な時期もあったが、現在は停滞している。中央集権的な行政構造は改まっていない。

 衆院選の公約で、立憲民主党は自治体への一括交付金の新設を掲げる。日本維新の会も中央集権から分権体制への移行を打ち出す。

 国民民主党は地方の権限強化を提起し、共産党は自公政権の地方行革に反対すると強調する。

 一方、自民党は地方政策でデジタルを活用した活性化に言及し、公明党もデジタル人材の育成を地方創生につなげると主張する。

 ただ、本格的な分権論には踏み込んでいない。選挙戦を、国と地方の関係について議論を再喚起する機会にしなければならない。

 コロナ禍では、病床とともに保健所業務も逼迫(ひっぱく)し、在宅療養者が死亡する一因ともなった。行革の流れの中で統廃合が進められた保健所の機能強化も、忘れてはならない政策課題である。

 地方分権の推進には、財源の裏付けが欠かせない。コロナ禍の初期に道は、十分な独自財源を確保できていないとして、本格的な対策が遅れがちだった。

 小泉純一郎政権時代の三位一体改革に伴う地方交付税の削減は自治体財政を圧迫し続け、昨年度はさらにコロナ禍が直撃した。

 財政力の弱い自治体は国の補助金や交付金に依存しがちで、分権論議の後退にもつながっている。自治体運営に必要かつ十分な財源を交付税で確保する。この基本を国政で再認識してもらいたい。

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