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衆院選北海道4区 立候補予定者討論会詳報<下> 自民党・中村裕之氏 立憲民主党・大築紅葉氏

 13日にオンラインで行われた衆院選北海道4区の立候補予定者による政策討論会(北海道新聞小樽支社主催)では、自民党前職の中村裕之氏(60)と立憲民主党新人の大築紅葉氏(38)が、並行在来線問題についても意見を交わした。

中村裕之氏(左)と大築紅葉氏
中村裕之氏(左)と大築紅葉氏




■並行在来線

 ――北海道新幹線や高速道路の建設が進んでいます。後志の公共交通はどうあるべきだと思いますか。北海道新幹線札幌延伸に伴いJR北海道から経営分離する並行在来線の存廃問題にはどのように取り組みますか。長万部―余市間、余市―小樽間のそれぞれについて具体的にお話しください。

 大築 後志の公共交通については(複数の交通機関を組み合わせ、予約・決済などを一括で行える)後志版MaaS(マース)に注目しています。公共交通の自動運転などを含めて、情報通信技術(ICT)の効率的な配車システム、移動手段が実現化される時代に来ています。こうした技術を使うことで費用の圧縮や人手不足解消につながると思っています。

 今回、後志管内を回っていると並行在来線の存続、そして北海道新幹線開業後の地域の公共交通機関がどうなるかと心配する声を多く聞きました。余市―小樽間は輸送密度が比較的高いので、存続の可能性はあると思っています。国の支援があるのが望ましいですが、企業版ふるさと納税やガバメントクラウドファンディングを利用し、初期コストと維持コストを補う方法が考えられます。長万部―余市間は維持をしたいですが、輸送密度が低いのと高規格道路ができるので、現実的にはバス転換などになるのかもしれません。

 中村 全国で新幹線が開通するところは、並行在来線として経営分離に合意することがルールになっています。今回、長万部―小樽間は合意のはんこを押した状況です。

 そうした中、私は、小樽―余市間は、鉄路をJRの経営で残すべきだという立場です。余市駅は2千人の利用者があり、小樽―余市間は全道7番目の利用者数です。残せるように精いっぱい努力していきます。

 利用頻度や利用客数が少ない長万部―余市間はバス転換した上で、新幹線倶知安駅を起点としたバス路線を充実させ、地域の足を守っていきたいと思います。

 公共交通全般では、高速道路の延伸をしっかり行い、(余市から倶知安方面は)無料ですから、高速道路を降りて、お客さんを乗せてまた乗るという活用もできます。地域の足を守る予算が不足したのは反省点ですので、予算の充実も図っていく決意です。

■本多氏の不適切発言

 ――今度は中村さんから大築さんに質問をしてもらいます。

 中村 (刑法の性犯罪規定見直しを巡る不適切発言で衆院議員を辞職した)本多平直さんが先日、JR発寒中央駅で私が朝、立っている時にあいさつに来てくれました。本当に大変だったと思います。私は本多さんを責めるより、立憲民主党の対応に非常に疑問を感じています。大築さんはどのようなお考えでしょうか。

 大築 まずはその議論の元になった性的同意年齢の引き上げについて、私は賛成の立場であることを主張させてください。その上で、私は新人で先日公認も出たばかりで経緯は正直はっきりとは分からない立場ですが、きちんと過程の透明性を持って説明していくのが、政治の信頼を回復していく方法なのではないかと思っています。

 今、与野党ともに政治に対する信頼が失われていると、今回新人として立ち上がるに当たって、ものすごく危機感を感じています。これは与野党問わず、しっかりと向き合っていかなくてはいけない問題です。全てにおいて透明性を持って、国民、有権者と向き合っていくことで信頼を回復していきたい。党内でもきちんと説明していく体制を私が当選したら整えていきたいと思います。

 中村 大築さんのおっしゃる通り、透明性を確保して政治責任を果たしていくことが政治に求められると思います。大築さんも政治記者だったので、本多さんの発言から辞職するまでの経過は良くご承知かと思っていましたが、そうではないというのは意外だなと思いました。党のガバナンスには若干問題があったのでないかと思っています。

■後期高齢者の医療費負担増

 ――次は大築さんから中村さんに。

 大築 後期高齢者の医療費の窓口負担割合の引き上げについてです。立憲民主党は政府案の窓口負担割合の引き上げではなく、応能負担の強化、つまり高所得の方から保険料として負担をお願いして、現役世代の負担を軽減する案を示しています。公平性が心配になると考えていますが、所得の再分配という関係も踏まえ、窓口負担についてどのようにお考えでしょうか。

 中村 自民党を中心に、厚生労働省との議論の中で、現役世代の負担を少しでも軽減するために、支払い能力のある高齢者には一部負担を増やしていただくことで進めました。現役世代の高齢者、後期高齢者医療制度に対する負担は、ずいぶん課題になって来ているので、持続可能にするためには、ある意味やむを得ない措置だったのではないかと思います。立憲民主党の案について詳細は分かりませんのでコメントは控えます。

 大築 シンクタンクなどの調査でも、所得と健康には相関関係があると言われています。これを踏まえると、一定の所得以上の方も窓口負担を引き上げると言いながら、本当は高所得層ではなく中間層の負担がもっと増えることになると思います。私たちは賦課限度額の引き上げ、徴収の段階で累進性を持たせた案を示しました。その点をご理解頂いた上で、改善に向けた協力をお願いします。

■むすびに

 ――これまでに言い足りなかったこと、決意表明など自由にお話しください。

 大築 まずは今回、一騎打ちとなりますが、この間ご協力いただいた皆さんには、この場を借りて感謝申し上げます。

 私が政治家として実現したい政策をお話しします。「故郷をリノベート」という表現をしていますが、地方の自治体、企業、個人のチャレンジを応援できるまちづくりを行いたいと考えています。自治体財政が厳しい中、人口減少により地方交付税も足りていません。義務的経費が大きくなり、自由度の高い予算がない市町村が多いです。今回、地域を回り、そうした声を多くいただきました。地域性に応じた政策を後押しできるように、国が自治体に寄り添う必要があると思っています。地域の課題を、住民の目線で解決できるようにすることで一人一人を大切にする政治へシフトしていきたいと考えています。

 例えば、実際に地域を回る中で、中小規模の農家が集まってこの地域の農業を支えてくれていると感じました。ただ、国は大規模な農業支援の方向にかじを切っているように感じます。情報通信技術(ICT)を使ったスマート農業や漁業は、家族経営や中小規模で後継者不足に悩む事業所に対する積極的な支援として必要とされています。

 自治体の裁量で(使途が)決められる一括交付金の新設も立憲民主党は掲げています。私は、元テレビ局の政治記者の経歴、人脈、聞く力、発信力を生かし、小樽・後志、札幌をもっと売り込むことができます。これは他の候補予定者にはない強みだと思っています。

 中村 次が4回目のチャレンジになりますが、高速道路をはじめ、農業、林業、漁業の共同利用施設(整備)など地域の課題に取り組み、形にしてきました。

 この9年に近い間に政治家同士、各役所と信頼関係を築いてきました。培ってきた多くの人との信頼関係を地元のために精いっぱい役に立てる時期を迎えると自分なりに思っています。これまで一生懸命やってきましたが、さらに役に立つ議員として活動できるのではないかと、期待を頂ければと考えています。

 私たちの住む古里。後志、小樽、そして手稲、発寒、八軒。本当に素晴らしい食のルートです。食が生産され、流通して、市場に並べられ、消費者の元にたどり着く。この全てをしっかり支え、豊かになる方策を取っていきたい。

 そのためには世界ブランドを育てていきたいと思っていますし、政府が掲げる2030年に6千万人の訪日外国人観光客の目標についても、私たちの地域が担う役割は大きいです。今、富裕層がバックカントリースキーに訪れていますが、そうした方々はスキーだけが趣味ではありません。マリンレジャーもするでしょうし、自転車が趣味の方もいらっしゃると思います。カヌーの方もいらっしゃると思います。多くの皆さんにアドベンチャーツーリズムを楽しんでいただき、この地域の食や環境を世界ブランドにし、その実りの中で安定経営をした上で、国民への食の供給も安定して行われる。そうした地域にしていきたいと思っています。

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