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衆院選北海道4区 立候補予定者討論会詳報<上> 自民党・中村裕之氏 立憲民主党・大築紅葉氏

 北海道新聞小樽支社が13日に行った衆院選北海道4区(後志管内、札幌市手稲区、西区の一部)の立候補予定者による政策討論会では、自民党前職の中村裕之氏(60)と立憲民主党新人の大築紅葉氏(38)が、新型コロナウイルス対策や1次産業・観光振興策、子育て支援策などについて議論を交わした。討論会は新型コロナ感染拡大防止のためオンラインで行い、中村氏は東京の議員会館事務所から、大築氏は小樽の事務所からそれぞれ参加した。両氏の発言を3回に分けて紹介する。司会は同支社の鈴木徹報道部長。

中村裕之氏(左)と大築紅葉氏
中村裕之氏(左)と大築紅葉氏




■道4区の良さは

 ――北海道4区エリアの良いところ、好きなところを教えてください。

 中村 私は余市町出身、今も余市町に住んでいますが、道議を経て今、国政3期約9年務めさせていただきました。私の住む余市町は後志管内の町村では一番人口が多い町ですが、道議を20年以上出せていない時に、私、道庁を辞めて余市町に戻った訳です。その時に、余市から道議を出したいとの地域の声を受けて、私に白羽の矢が立って仲間に推されて道議選に出馬しました。道議を約9年半務めましたが、政権交代があって(当時の)民主党政権ではなかなか地域の課題が前に進んでいかないのを見て、国政への転身を決断しました。

 北海道4区は海の幸、山の幸に恵まれ、そして立地も良く、本当に素晴らしい地方、地域だと思っています。都市から過疎地まであり、多くの課題を抱えています。そうした中で、それぞれの地域の良い面をしっかり磨き上げ、地域を活性化させ、地域間の交流も盛んにしていきたい思いから、これまで一生懸命、皆さんのためになるように一生懸命、一生懸命、国政の場で仕事をさせて頂きました。

 今回、農林水産副大臣を拝命しましたので、これまで約9年間で信頼関係を結んできた政治家、官僚に加え、農林水産省とも信頼関係を結べる機会を頂いたことをうれしく思っています。こういう人脈を地元のために使いたいと思っています。

 大築 小樽出身4人きょうだいの末っ子で37歳(13日時点)です。今週末、38歳になります。高校は中村さんの後輩にあたります。大学は英国に留学してジャーナリズムを勉強し、帰国後はフジテレビに就職して政治部の記者を主にしておりました。これまで記者として政治に携わる中で、今の国の政治を変えなければいけない使命感が芽生えてきました。コロナ禍で、私が地元に戻って地域の再生を図りたい、役に立ちたい思いが強くなり、立候補を決意させて頂きました。出馬会見でキーワードは「女性」と申し上げましたが、働く女性、子育て中のママの応援になる政策も実現したいと思っております。

 4区の良いところですが、子どものころから住んでいて、当たり前に感じていた環境は、外国や東京などの他の都市に住んできた経験を踏まえると、改めていいところがいっぱいあると実感しました。大都市があって、海があって羊蹄山があって、自然は多数ありますよね。こういったロケーションは全国でもあまりないと思います。夏は海水浴、冬はスキーなどのレジャーもできますし、歴史的文化もたくさんあります。そして地域、マチを作っているのは何よりも人です。東京から戻って2カ月近く政治活動をしている中で、改めてこの地域の皆さんの人の良さに支えられていると実感をしております。

■安倍・菅政権の総括とコロナ対策

 ――安倍・菅政権をどのように評価しますか。特に新型コロナ対策は今後、どう取り組むべきだと考えますか。

 大築 (安倍・菅政権の)良かったところは、やはりワクチンの大規模接種や職域接種だと思います。ただ、その後のワクチンの分配は、システムの課題などから自治体の負担が大きくなってしまったことは否めないのではないでしょうか。今後、(3回目の)ブースター接種が行われるのに向けて国、道、市町村がスムーズにつながるように、ワクチンをインフラとして位置づけ、うまく連携できるシステムを作らなければならないと思っています。

 悪かったところについてはやはり補償の手薄感は否めないですよね。(営業)自粛の要請に見合う形での補償がなされていません。事業規模によって強弱をつけた補償の仕組みや幅広な業種を網羅すること、何より働いている方々への支援がおざなりになってしまっていることは、大きな問題だと思っています。

 東京オリンピックについても、全力を尽くしたアスリート、監督、関係者には敬意を表しますが、実際に費用がいくらかかったのか、検証と公開をしっかりしなければならないと私は考えています。猛暑の対策などもずさんで、海外からの評価としても「うそが多い」と言われています。

 この間、6月から国会が開かれていません。そもそも検証できる形ができていません。開催するためにどれほど多くの方が我慢を強いられていたかは認識してもらいたいと思っています。人流抑制を呼びかけて多くの事業者が苦しい思いをする中、公平さは著しく欠けていたと感じています。

 また、これまでのデジタル推進の遅れがあったことから、(スマートフォン向け接触確認アプリ)「COCOA(ココア)」の利用が進まなかった。そもそも不具合が多発したことで、全く使えるものになっていません。コロナは子どもにも感染が広がってしまいました。それにより、家庭で感染が広がり、仕事も休まなくてはならないし、今も後遺症に悩まされている方も多いと思います。

 今後について、公平性を持った給付金の拡充は絶対に必要になってきます。また、国産の新薬開発の研究支援など必要なことはたくさんあると考えています。先ほど述べたように、ワクチンのブースター接種に向けて、国の仕組みの中で何が課題だったのか、自治体など現場からしっかりヒアリングをして、ボトルネックになっている部分をしっかりと解消することが必要となってくると思います。

 中村 安倍晋三首相が7年半国政を担いました。その前に民主党政権が3年3カ月ありましたが、当時、私は成人式でこういうごあいさつを申し上げました。「高校新卒者の3人に1人、大学新卒者の4人に1人が正社員として就職できない時代を迎えてしまいました。皆さんの自助努力が重要です」。非常に疲弊した状況だったと思います。それから安倍政権がアベノミクスを中心に経済対策を行って、日本中全ての都道府県が有効求人倍率1・0を超えて、本当に多くの若い人が正社員としてきちんと就職できる時代を迎えることができたのは、私は評価できることだと思います。

 また、菅政権は新型コロナ対策に終始することになりましたが、菅首相は誠実に仕事をしてきた方だと思います。ワクチン接種についても一部申し込みが殺到して「待った」が掛かりましたが、今その効果が出て感染者が非常に減ってきているのは、世界でも最もスピード感を持って接種を進めた成果だと思っています。

 私の住む余市町並びに周辺町村は、5町村が連携して「余市モデル」という形で、お盆までには12歳以上の希望者の9割以上の人が接種を完了できました。これは自治体が体制を整えていれば、国からのワクチンの供給はしっかりできるんだという証明でもあります。こうしたことを通じて今、感染者が減っていることは非常に喜ばしいことだと思います。

 しかし、陽性になった方が自宅で療養しなければならない状況は、今後は避けるべきです。病床の確保はもちろんですが、ホテルなどの療養施設も十分に活用して、自宅で不安を抱えて過ごさなければならないことがないように、これから体制を整えていかなければなりません。

 国内でも飲み薬の開発、治験が始まっています。飲み薬がしっかり認可されれば、インフルエンザと同様の扱いができるようになると思います。それまでの間、感染状況を見極めながら、ワクチン接種や検査を行いながら、経済活動を徐々に活性化していかなければならないと思います。そうした中で社会活動を平常に戻していくフェーズに入ってくるのではないかと期待しています。もちろん、安心して休業できる給付がなされていなかったことは私も感じていますし。支援にムラがあったことはその通りだと思います。

■1次産業・観光振興策は

 ――後志の1次産業の振興と、主力産業に成長した観光業や飲食業を成長させるために、どのような政策に取り組みますか。

 中村 後志管内は1次産業が非常に盛んで基幹産業です。しかも1市19町村がそれぞれ特色のある農業をしていて、ブランド品を育てています。日本海の水産業についても、季節ごとにさまざまな品目がとれます。私は宝物は地方にこそ、農村・漁村・山村にこそあると確信しています。食、水、環境、エネルギー。これらの宝物は地方にこそあります。

 しかも4区全体を考えると、生産するだけではなく、地方卸市場や中央卸売市場を含め、消費者にたどり着くまでのサプライチェーン(供給網)がほぼ4区の中で完成されている状況です。中央卸売市場は道路を挟んで隣の1区なんですが、そこにたくさんの物が後志からも行っています。こうしたものは、私は世界ブランドだと思っています。

 パウダースノーが世界一であるように、ナマコのマーケット(市場)が中国に広がったら何倍かの価値に上がったように、後志の農産品や海産品が世界のブランドになれるようにしっかり取り組みます。世界の富裕層が訪れるニセコエリアを中心に、富裕層の皆さんにも食してもらい、発信できる機会にしていきたいですね。

 観光については、小樽は歴史・文化の観光が非常に魅力的です。今、日本遺産が二つ、次は三つ目を目指して候補地になっています。小樽の歴史・文化観光と後志の自然、そして体験観光が連携していけるように高速道路の整備も含めて全力を尽くします。新千歳空港からのアクセスも大変良くなってきました。さらに高速道路の延伸、新幹線の延伸を進めてます。

 大築 1次産業の目標ですが、やはり農業、水産業ですよね。地産地消の取り組み、後継者不足解消に向けた所得向上が必要になってくるのではないでしょうか。コロナの影響で外食産業の低迷や輸出が減ったことによって農産品、水産品の価格が下がったことは後志にも大きな影響となって表れています。そのため、農林水産業の戸別所得補償制度の復活・創設は直接的な支援になると考えています。

 観光政策については、直近はコロナ対応で飲食業のみならず、小売業も打撃を受けていることから、観光業に対する直接的な支援、「観光産業持続化給付金」を行う必要があると考えています。倶知安などでは観光需要が増えたことで大規模な開発が行われていますが、上下水道など公共インフラ整備と固定資産税増加など、やはり地元の町村や住民の負担になっている点もあるかと思います。こうした観光客が多く来ることでの恩恵はありつつ、町民に跳ね返ってくるダメージもあるということ、これを国としてもしっかりと支援する必要があると考えております。

 ニセコ・倶知安のリゾート、小樽の町並み観光、余市、仁木などの果樹や積丹、岩内の食と自然、これらをうまく結びつけて「ワン後志」として、例えば英国で言うナショナルトラストのように、後志の自然や町並みを丸ごと楽しめる魅力を打ち出していく必要があると考えています。

 小樽の歴史のまちづくりの方向性は小樽市の総合計画にも示されています。北海製缶(小樽工場)第3倉庫(の解体)が取り沙汰されている中ですが、持続可能な観光開発、港の再開発や駅前の再再開発など、単体ではなく、時間軸を意識して全体を俯瞰(ふかん)したまちづくりが必要だと考えています。

<略歴>

 なかむら・ひろゆき 後志管内余市町出身。小樽潮陵高、北海学園大を卒業。道職員などを経て、2003年から自民党公認で後志管内選出の道議を3期、12年から衆院議員を3期、それぞれ務めた。文部科学政務官などを歴任し、岸田文雄内閣で農林水産副大臣に就任した。「明るく、でっかく、堂々と」がキャッチフレーズ。座右の銘は、知っているのに実践しないことを戒める「知行合一」。尊敬する人物は、旧米沢藩で財政改革や産業振興に取り組んだ上杉鷹山。60歳。

 おおつき・くれは 小樽市出身。小樽潮陵高、英バーミンガムシティー大を卒業。フジテレビに入社し、報道局政治部記者として野党キャップを務めた。2011年の東日本大震災発生時は当時の民主党政権を取材。キャッチフレーズは「新しい世代から、新しい政治を。」。座右の銘は、イノシシのようにまっすぐ突き進む意の「猪突(ちょとつ)猛進」。尊敬する人物は、4人の子どもを育てた自身の母親と、現在のJR小樽駅周辺の土地開発を進めた旧幕府軍指導者の榎本武揚。38歳。

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