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「優先席」でなく「専用席」なら座りやすい 「名称導入、広げる価値ある」 札幌地下鉄調査 宇都宮大と北星学園大

 札幌市営地下鉄の「専用席」は、関東の「優先席」より対象者が座りやすい―。宇都宮大(栃木)と北星学園大(札幌)の研究グループが、こんな調査結果を論文にまとめた。専用席も優先席も、対象は障害者や高齢者、妊婦らで、ほぼ同じだが、実際に対象者が席に座っていた割合は札幌が93・4%だったの対し、関東は19・9%。「専用席」の名称は全国的にも珍しいといい、同グループは「他地域に導入を広げる価値がある」と提言する。

 グループは市営地下鉄3路線と、札幌と混雑率が近い関東の地下鉄3路線の専用席(関東は優先席)の平日の通勤ラッシュ時の車内を目視で調査。2016~17年に札幌は10日間、関東は3日間、専用席に座っている人の数や、座っている人が対象者かどうかを数えた。関東では車内の混雑度が高まるにつれ、座れない対象者が増えたのに対し、札幌は低いままだった。

■苦情契機に改名

 国内の公共交通機関では1970年代に優先席の導入が始まり、市営地下鉄も74年4月に設置。市交通局によると「若い健常者が座席を占領している」などと市民から多く苦情が寄せられたため、翌年4月に「専用席」へ名称を変更した。

 グループは、札幌と関東の地下鉄利用者各300人へのアンケートも実施。「専用席(優先席)に座らない」と回答した割合は札幌96%、関東58%だった。一方、「『専用席』と書かれた席に座る」と答えた関東の利用者は9%だったことから「名称の影響は大きい」としている。

 論文は本年度、福祉や経済、情報などの研究者らでつくる「日本福祉のまちづくり学会」の学術賞を受賞した。同学会は「十分な研究蓄積がない優先席に着目し、心のバリアフリーを浸透させる上で有益な知見が得られた」と評価している。

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