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函館再整備、住民理解が課題 歴史的建造物点在の西部地区 専門家「ビジョン共有し対話を」

 【函館】函館山の麓に広がり、歴史的建造物が点在する観光名所・函館市西部地区の再整備事業が本格的に動き始めた。市はレトロな町並みを残しながら空き地や空き家を再開発し、人口減少が進む西部地区に新たな住民を呼び込むことを目指しており、7月に整備を担う第三セクターを発足させた。地域活性化に期待がかかる一方、住民にまちの将来像や整備の具体策が伝わっておらず、説明や対話を求める声も聞かれる。

 歴史ある洋館や建物が立つ函館市西部地区。再整備を担う第三セクター「はこだて西部まちづくRe(り)―Design(デザイン)」の代表に就任した北山拓さん(34)は、薄緑色の外壁の洋風建物「旧北海道庁函館支庁庁舎」を前に「市民になじみ深いこの建物を事業のシンボルにしたい」と力を込めた。

 同庁舎は観光名所の元町公園内にあり、観光案内所などとして利用されてきたが、今年3月に閉館。同社は事業の第1弾として利活用を検討すると表明した。

 同社は市や函館商工会議所、市内の企業などが出資。歴史的建造物の改修に取り組むほか、空き家、空き地を一体として整備し、共同住宅や駐車場の造成などを手掛ける。北山代表は政府系ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC=レビック)から派遣された。

 3~5年をめどに、経営を地元の企業や住民に移す考えで、北海道新幹線の札幌延伸を見据え2030年度までに再整備を進める計画。「住民が暮らしやすく、観光客も移住したくなるまち」を目指すという。

 再整備の背景には人口減少がある。西部地区は観光客の人気を集める一方、市によると1970年に3万8千人だった人口は2020年12月末時点で3分の1以下の1万1789人まで減少=グラフ=。空き家や空き地も増えており、JR函館駅周辺を含めると市全体の空き家(19年度、1350棟)の3割を占める。

 工藤寿樹市長は17年、「西部地区をビバリーヒルズ(米国の高級住宅街)にする。函館にとって戦後最大の事業になる」と再整備を打ち出した。ただ、住民の反発もあり、ビバリーヒルズという言葉はその後「市長から聞くことがなくなった」(市幹部)。

 市は市民向けワークショップを開催し、学識経験者や不動産業者、地元町会長らで構成する検討会議を開くなど計画内容を話し合っているが、住民の理解は深まっていない。

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