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釧路市水道料、苦肉の維持 上下合計で道内主要10市最高額 一般会計から繰り入れ

 【釧路】家庭用の上下水道料金の合計が道内人口上位10市で最も高い釧路市が、2022年度以降の料金の「据え置き」を決めた。新型コロナウイルス禍に苦しむ市民の負担を抑えるため、一般会計からの繰り入れで水道料金の値上げ幅を圧縮しつつ、下水道料金を下げて合計額を維持する苦肉の策だ。ただ、市は今回は「特例的な措置」としており、人口減少に歯止めがかからない中、料金を見直す4年後に市民負担が増す懸念は残る。

 北海道新聞の8月時点の調べでは、標準家庭の1カ月(13ミリ管で20立方メートル使用)の水道料金は釧路市が3939円と道内主要10市で3位、下水道使用料は4502円で1位=表=。合計額も8441円で最も高く、苫小牧市とは3474円の開きがある。年間では4万1688円の差になる計算だ。

 釧路市は従来、水道料金は「10%程度の値上げが必要」とみていた。人口減や節水意識の高まりで水道事業の収入が減少傾向にある上、老朽化した水道管と浄水場の更新費用が今後かさむことがその理由だ。

 しかし、市長の諮問機関の市上下水道事業審議会は、コロナ禍を受け市民負担の軽減を要望。地方公営企業法により、水道事業は料金収入で運営する独立採算制が原則だが、市はコロナ禍の市民負担増を避けるため、やむを得ず一般会計からの繰り入れを決断した。22~25年度に計2億5千万円を一般会計から繰り入れる計画で、料金の値上げ幅を2・9%に圧縮した。

 さらに下水道事業は使用料を2・5%下げる。整備の際の借金返済のピークが過ぎ、水道に比べ収支が安定しているためで、標準家庭では水道料金の値上げ分(月113円増)と相殺した。

 ただ、それでも下水道使用料は道内10市で最も高い。平たんな土地が少なく、釧路川など三つの河川に分断されていることが背景にある。低地に流れる下水をポンプでくみ上げ、橋に取り付けた下水管を通して川を乗り越えさせて処理場まで運ぶ必要があるため、コストがかさむという。

 一方、隣接する釧路管内鶴居村は家庭の水道料金が1886円、下水道使用料が2619円の固定制で、管内で最も安い。釧路市からの移住先として人気が高く、実際に移住した家族は「定額は子育て世帯の家計に優しい」と話す。水産や製紙など基幹産業が低迷する中、釧路市は上下水道料金の高さからさらなる人口流出を招きかねない。

 

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