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JR無人駅廃止 切り捨て加速が心配だ

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 JR北海道が、利用の少ない無人駅のうち7駅を来春廃止する方向で沿線自治体と協議に入った。

 経費削減のため、JRは利用客1日3人以下をめどに廃止対象とし、存続を求める地元が費用を出せば自治体管理に移行している。

 ここ数年の廃止は年1~3駅だったが今年春は過去最多の18駅に上り、さらに18駅が自治体管理に移った。コロナ禍の中、10年後の経営自立を図る長期目標達成に向けてペースを速めた格好だ。

 7駅廃止効果は年8千万円程度という。とはいえ、JRが今期に見込む連結営業赤字約700億円に比べればはるかに少ない額だ。

 駅廃止で外堀が埋められれば、赤字路線自体の切り捨てが進みかねない。企業の都合でなく、将来にわたり鉄道網をどう維持するか地域全体で考える必要がある。

 7駅の駅名は現時点では非公表だが、花咲線糸魚沢駅、宗谷線歌内駅などが含まれるという。

 歌内駅は4月に上川管内中川町の管理に移行したばかりだ。財政が厳しい中で年間維持費100万円が負担となり、高齢者への隣駅タクシー送迎助成に転換する。

 地元に駅業務を委託する例は全国にあるが、自治体管理は道内独特の方式という。将来的に鉄路の保有と運行を分ける上下分離につながる試みとしても注目された。

 それが1年で廃止に転じることで、無人駅を抱える市町村が存続に消極的になる恐れがある。1日3人以下は29駅あるが、JRの島田修社長は会見で5人以下も対象に加える方向性を示した。

 一方で小説「塩狩峠」の舞台、宗谷線塩狩駅を管理する上川管内和寒町では、駅のカードを返礼品にふるさと納税の寄付などを募り2年分以上の維持費を集めた。

 こうした駅の魅力発掘は本来はJRの仕事のはずだ。50年ほど前に旧広尾線愛国―幸福間が「愛の国から幸福へ」のうたい文句でブームになるなど、旧国鉄の方がローカル線振興に熱心だった。

 国はJR北海道に3年間で総額1302億円の支援を決めた。このうち独立行政法人からの借入金230億円をJRは今月全額株式化した。実質的な借金棒引きだ。

 国や道から手厚い支援を受けながら市町村に「廃止か負担か」を迫るような手法は納得できない。

 国は3年前のJRへの監督命令で地域との協力体制を明記している。きちんと監視してほしい。

 広域交通体系を制度設計する道の役割も重要だ。JRと地元との調整機能を果たすべきだろう。

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