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旭川の将来像、熱く 市長選立候補予定者討論会 詳報(上)

 北海道新聞旭川支社が13日に開いた旭川市長選(19日告示、26日投開票)の立候補予定者討論会では、出馬を表明しているいずれも新人で前道議の笠木薫氏(64)=立憲民主、国民民主推薦=と、元衆院議員秘書の今津寛介氏(44)=自民、公明、維新など推薦=が、新型コロナウイルス対策や西川将人前市長の市政運営、市政のあるべき姿などについて語った。緊急事態宣言下の開催となった討論会は感染防止のため、支社内で聴衆を入れずに行った。両氏の発言を2回に分けて紹介する。司会は同支社の加藤雅毅報道部長。

【動画】旭川市政、コロナ巡り論戦 市長選候補予定者討論会

■笠木薫氏(64) 困った人に寄り添う

 私の政治信条は「困った人に寄り添う」。政治や行政の原点だと思い、地方自治を追い求めてきました。旭川市の人口は33万人で、33万通りの生き方があり、全てが旭川の宝です。これからも市民目線と「チーム旭川」の視点で、みんなが笑顔でこのマチに暮らしてよかったと思える「しあわせの森・旭川」をつくっていきたい思いです。

 財源や見通しを検証した67項目の公約を形にするためには、市職員との十分な対話が必要です。「君の仕事では、君が市長だ」との市役所の良き伝統を再生させたい。そして最初に、コロナ禍の最先端で頑張る病院や宿泊療養施設に出向き、命を守るための課題の洗い出しに着手します。自粛下で会社と家族、社員を守るために必死で頑張る事業主と面談して実態と向き合い、具体的な政策を講じ、守ることが、課せられた課題だと決意しています。

■今津寛介氏(44) 政権とのパイプ活用

 私の政治理念は、市民と共に、一人一人に寄り添い、誰一人取り残さない市政。不安を解消し、夢や希望を実現することが市長の仕事と考えます。

 政権与党とのパイプをフル活用し、三つのことに着手します。一つ目は新型コロナウイルスの脅威に対する備えを強化し、命と健康を守ることに全力を尽くします。二つ目がコロナ禍を乗り越え、地域経済の立て直しと活性化です。三つ目が排雪回数の倍増です。

 次に政治理念をもとに三つを進めます。1点目は子どもを守る。いじめ問題の真相解明と再発防止に全力を尽くし、中学生までの医療費無償化を実現します。2点目は、市役所内に女性活躍推進室と部長級の女性専門監を置きます。3点目は、旭川の医療資源を最大限に活用して健康寿命を延伸し、障害をお持ちの方も生き生きと過ごせる旭川市をつくりたいと考えます。

■西川市政の評価 笠木氏-公平で公正な15年間 今津氏-市民に閉塞感、停滞感

 ――15年間、旭川市政のかじ取りをしてきた西川将人前市長に対する評価を伺います。

 笠木 西川氏は少しパフォーマンスが苦手だったと思いましたが、決して偏らず、公平で公正な15年間の旭川市政でした。保育所や放課後児童クラブの待機者ゼロ、子ども医療費の段階的な無償化、動物愛護センターあにまあるでの犬の殺処分ゼロなど、優しいまちづくりを進めてきました。2年後には市役所新庁舎が完成し、公立(市立)の旭川大学が開校、さらに優佳良織工芸館など3館が道北の観光拠点施設として再生すると思われます。道半ばなものは継承し、一方でまちづくりの発想を大きく変え、新時代にチャレンジします。

 今津 市民との対話を重視する姿勢は重要で、私も見習わなければならない。一方で、コロナ禍や3年前の全域停電(ブラックアウト)時は情報発信が不足し、市民に大きな不安が広がりました。15年間で人口は3万人減り、丸井今井旭川店や西武旭川店が閉店しました。市民から、旭川の閉塞(へいそく)感、停滞感を打ち破ってほしいとの期待を感じます。そのためにはさまざまな課題にスピード感をもって決断し、自らの言葉で情報発信することが求められます。そして市民も一緒に知恵を出す、市民参加型のまちづくりを行っていきたいと考えています。

■人口減対策 笠木氏-子育て世代の負担減 今津氏-旭川未来会議を設置

 ――ピーク時に36万人台だった旭川市の9月1日現在の人口は32万8903人で、減少が避けられない中、どう対策を打ちますか。

 笠木 子どもを産み育てやすい環境づくりを進めねばなりません。引き続き、保育所や放課後児童クラブの待機者ゼロの維持や子ども医療費(の助成)や給付型奨学金制度の対象拡大など、子育て世代の経済的負担を軽減したいです。

 第2の「もりもりパーク」など子どもが集える拠点整備や子ども食堂、夜間中学の開設にも尽くしたい。高齢者が元気で長生きしてもらうため、文化やスポーツ活動の場の確保や市民ギャラリーの新設、まちづくり推進協議会などの地域活動も応援します。人を呼び込むことが大切で、地場産業振興など企業誘致に力を入れます。過疎化が進む農村部に若者の定住を増やす新制度や仕組みもつくり、郷土愛の醸成に努めます。

 今津 学ぶ場所や雇用を確保しなければ人口減少は止まりません。公立大学を市内の学生が進学したくなる大学にし、卒業生を地域に安定的に定着させていく。市独自の奨学金も充実させます。旭川の自然や医療環境を生かし、企業やデータセンターの誘致にも力を入れたい。平和通買物公園を中心に地元金融機関と連携し、(新たな技術やアイデアで急成長を目指す)スタートアップ企業の拠点をつくります。

 女性の転出が顕著なことを踏まえて、市役所内に「女性活躍推進室」を設置し、保育の充実や雇用支援を進めます。(公約で設置する)「旭川未来会議2030」に若者や女性らも参加してもらい、一緒に未来を描き、実現したいです。

■コロナ対策 今津氏-人脈でワクチン確保 笠木氏-11月までに接種完了

 ――旭川市の新型コロナ対策とワクチン接種の進み具合で改善すべき点はありますか。具体的にどう変えたいですか。

 今津 旭川市民全年代のワクチンの1回目接種は46%で、主要道内10都市の中で最下位です。接種体制が整い、国や道と交渉できるところにワクチンが発送されているのは明らか。今までの市政には道政、国政とのルートがなかったのだと思いますが私は違います。自身の経験と人脈をフルに発揮し、国や鈴木(直道)知事、近郊市町村にお願いして人員を派遣してもらい、接種体制を強化します。

 政権与党とのつながりからワクチン担当大臣や知事と密に交渉してワクチン確保に努め、希望する全世代への接種を加速させます。また、宿泊療養ホテルに入れず、家族の負担が増え感染が広がっている状況もあり、自宅療養ゼロ、医療難民ゼロを実現したいです。

 笠木 そもそもワクチンは国から配分されたものを道が公平に各自治体に届けています。国や道とのパイプを生かしたから大量に確保できるものでは決してありません。仮にできるのなら横流しで、不正な行為を公約化していることになりかねません。旭川へのワクチン配分量を他の自治体より多くするという主張も、全く不適切な公約で今津さんに申し訳ないがレッドカードと言わざるを得ない。

 今後は若い人に一人でも多く打ってもらえるかが切り札。私が自ら企業に足を運び、ワクチン特別休暇を従業員に2日間与えていただくよう要請します。副反応解消のための消炎鎮痛剤も全員に無料配布します。11月までに全世代のワクチン接種完了に努めます。

■「コロナ後」の活性化策 今津氏-新たな道の駅を建設 笠木氏-65歳以上バス無料に

 ――コロナ収束後に向け、産業の活性化が課題です。どう準備を進めますか。

 今津 医療や福祉、介護など、旭川には他の都市にない強みがあり、魅力に満ちあふれています。今まであまり使われなかった地方創生や防衛予算など、国の政策予算や補助金を積極的に活用し、旭川の魅力や都市機能を高めることが活性化につながります。

 感染症病床を持つ市立旭川病院を道北の感染症総合センターや健康寿命延伸センターの視点で捉えると国の支援が得やすくなるはず。新たな道の駅を建設し、大規模な直売所や文化を発信する拠点にします。農業も上川でブランド化し、競争力を高めることが重要です。流通団地などに大規模倉庫を誘致し、道北の農作物を旭川に集積し、国内外に発信します。「十勝に追いつき追い越せ」です。

 笠木 市役所内にプロジェクトチームを立ち上げ、経済活性化策を練り上げ実践します。それに先立ち、67番目の公約を発表します。来年4月から65歳以上の全市民を対象に市内の全バス路線を無料化します。高齢者の外出を誘導して個人消費を喚起し、健康増進にもつなげたい。財源もほぼ見通しが立っています。

 飲食業やホテル、旅館を支援するため、引き続き、市独自のプレミアム商品券を連続的に発行し、地場産品や農産物の販路を拡大します。さらに、旭川空港を道内第2の国際空港の拠点と位置づけられるよう、格安航空会社(LCC)の拠点空港に発展させ、国際観光都市づくりを進め、観光や飲食業、関連の取引業者への支援につなげます。

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