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核ごみ対話の場 透明かつ公正な運営を

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 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定に向け、原子力発電環境整備機構(NUMO)の文献調査が行われている後志管内寿都町と神恵内村で「対話の場」の論議が停滞している。

 文献調査は両町村内で賛否が分かれ、合意が得られないまま始まった。寿都の片岡春雄町長は自身の「肌感覚」を調査への応募の根拠とした。

 対話の場は、NUMOが住民と意見交換をする場として設けられた。文献調査を行う約2年間に月1回程度の開催を予定していた。

 だが両町村とも4月の初開催以降、緊急事態宣言発令の影響で計3回ずつしか実施していない。

 対話の場の審議は非公開で、寿都では委員構成の偏りも目立つ。不十分な運営体制のままで対話を事実上の「アリバイづくり」の場とし、調査の既成事実化を進めることは認められない。

 審議を公開して透明性を確保した上で、核のごみの危険性などについて幅広い視点から論議を深める体制の構築が求められる。

 NUMOは3回目の会合を寿都では7月下旬、神恵内では先月上旬に開き、焦点になっている文献調査の経過を報告した。

 だが処分場としての適否について詳しい言及はなかった。なぜ核心部分を真っ先に説明しないのか。住民の重大な関心事項を回避していては「対話」とは呼べない。

 寿都町の対話の場は、町側が選んだ町議9人を含む委員20人で発足した。反対派の辞任や欠席が相次ぎ、3回目の会合の出席者は11人だった。このままでは賛成派中心の議論が進みかねない。

 町内では反対派団体が対話の場とは別に活動している。この状態が続けば、寿都のまちに分断の亀裂が深く刻まれてしまう。

 対話の場に多様な意見を反映させるために、公募を含め委員を拡充する検討が必要ではないか。

 神恵内では次回会合から村民10人程度の傍聴を認める。メディアにも公開した上で、インターネットを活用し希望者全員が審議を聞けるようにするべきだ。寿都にも同様の対応を求めたい。

 寿都と神恵内は、年10億円の交付金の一部を希望した周辺町村にも配分する。国の通達で周辺自治体にも配分できると定めている。

 寿都は岩内町に、また神恵内は共和、古平両町と泊村に各7500万円を配る。

 交付金を得た町村から反対する声は出しにくくなる。国の懐柔策と受け取られても仕方あるまい。

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