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函館発AI、映画脚本に挑戦 感情の動き数値化、少年の成長物語 大阪で来春お披露目

 【函館】人工知能(AI)が書いた脚本を基にした短編映画が来春、大阪の映画祭で「日本初のAI映画」として公開される。映画のストーリーを紡ぐAIを開発したのは函館市内のベンチャー企業。人間を超えられないと言われてきた芸術の領域で、地方発のAIが新たな試みに挑んでいる。

 AIが脚本を書いた映画「とまと」(仮題)は8月中旬、千葉県木更津市などで4日間の撮影を終え、今は編集作業中。作品は15~20分に仕上げ、来年3月の大阪アジアン映画祭でお披露目する予定だ。

 AIの名は「フルコト」。函館市のAI開発ベンチャー「Ales」(アレス)が半年かけ開発した。アレスは、AI研究の第一人者として知られる公立はこだて未来大の松原仁特任教授(62)=東大教授=と、函館市出身でエンターテインメント業界で働いていた藤井竜太郎さん(47)が2018年に創業、藤井さんが社長を務める。

 フルコト開発にあたり、同社は映画製作の関係者や脚本家らからノウハウを教わり、これまでの映画の脚本をAIに入力、基本的な物語の構造を学習させた。「出会い」「別れ」などの言葉や事象が、観客にどんな感情を与えるかを数値化して分類。最終的には80文字程度のあらすじを入力すると、せりふはないが、起承転結の構成で場面とシーンを書いた脚本を無数に出力できるようになった。

 今回の映画「とまと」は渡辺裕子監督が簡単なあらすじをAIに入力。出力されたストーリーを選んで手直ししながら、脚本を完成させた。脚本には「少年の体から発芽した何かが成長している」といった、普通の脚本家なら書かないような場面もあったが、渡辺監督は「こんな発想も面白い」と、実際の脚本でも少年の背中からトマトの芽が発芽する場面も入れた。完成した脚本は、母親やトマト畑のおじさんとのふれあいを通じた少年の成長の物語になった。

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