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殺処分ゼロを目指す動物病院を営む 大門(だいもん)みゆきさん・正明(まさあき)さん

 江別市の動物病院「Mobile(モービル) VET(ベット) Office(オフィス)」は飼い主がいる犬猫は原則受け入れず、餌付けで増えた野良や多頭飼育崩壊で放棄された犬猫を専門に不妊・去勢手術を行う道内でも珍しい施設だ。殺処分ゼロを目指して夫婦で営む。

 手術を担うのは獣医師のみゆきさん(42)。宮城県出身で大学時代、野良猫を捕獲し、不妊・去勢手術を施して元の場所へ戻す活動を知った。卒業後は動物病院での勤務や国内外のボランティアでこの活動の見識を広げた。結婚を機に道内に移住し、「野良猫と人の共生に取り組みたい」と2017年、夫の正明さん(38)の実家がある江別で病院を開業した。

 ボランティア団体などの依頼で年約1600件の手術を行う。手術費は安価で、道外など遠方の求めで出張することも。昨春に担当した江別市内の多頭飼育崩壊の事例では多数の子猫が死んでみつかり、「不幸な死を防ぐには手術しかない」と訴える。繁殖につながる餌付けは高齢者の孤立の問題とも関連するといい、「野良猫の問題は人間の問題でもある」と指摘する。

 正明さんは元高校教師で、教育格差の解消を目指して低料金の学習塾も開く。病院では代表として学校での出前授業など社会活動を主導し、留萌管内初山別村など自治体と協力して手術を行う機会も増えた。

 7月には2人の活動の場を広げようと一般社団法人「meico(メイコ)」を設立した。「いろいろな地域に行って活動するのが自分たちの役割。『今ある命』の大切さを伝えていきたい」(土門寛治)

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