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地滑りの土砂到達距離、国想定の倍 胆振東部地震被災3町 火山灰層が滑りやすい粘土質に

 胆振東部地震で、胆振管内厚真町などで多発した地滑りについて、崩れ落ちた土砂が国の想定の2倍の距離まで到達していた場所が多数あったことが、日本地すべり学会の調査で分かった。約9千年前に降った樽前山の火山灰が滑りやすい粘土鉱物に変化していた上、大雨による水分を含んだ土砂がこの層を境に瞬時に流れ落ちたとみられる。同学会は「悪条件が重なり、被害拡大につながった」としている。

 胆振東部地震の地滑りについては寒地土木研究所(札幌)の調査により、胆振管内厚真、安平、むかわの3町の計約7千カ所で起きたことが判明。このうち約9割は、地表から深さ2~3メートルの表土が斜面を滑り落ちる「表層崩壊」だった。

 土砂災害防止法は過去の災害例から、急斜面の高さの2倍の距離まで崩れた土砂が到達する恐れがあるため、この範囲を土砂災害警戒区域に指定できるとする。同学会が、3町で発生した表層崩壊について調べたところ、斜面の高さの4倍の距離まで土砂が達しているケースが多発していた。

 地滑りが起きた場所には、斜面に約9千年前の樽前山噴火で降った「樽前d火山灰」が堆積。この一部が水を含みやすい粘土鉱物「ハロイサイト」に変化し、滑りやすい状態になっていたことが判明している。

 学会は、地震前の2018年春から夏に多く降った雨がハロイサイトを含む層と土砂の境にたまって滑りやすくなり、地震の揺れで土砂が一気に滑ったと分析。緩い斜面での地滑りにつながったとみる。(内山岳志)

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