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#就活にオンライン定着 #「求められる学生」とは チャレンジ促す企業

 新型コロナウイルスの影響で就職活動はインターンシップ、企業説明会、採用面接と多くの過程でオンライン化が定着した。今年の新社会人は「オンライン採用元年」社員。各企業は彼らの特徴をどうみているのだろう。また、コロナ禍を経て求められる人材とは。併せて探った。(嘉指博行)

 新入社員のタイプを毎年、発表する民間の研究機関「産労総合研究所」(東京)は今年の新人を「仲間が恋しい ソロキャンプタイプ」と名付けた。コロナ禍で社会の状況が一変する中、孤独な就職活動をした結果、1人でするソロキャンプの初体験のように、まごつくことも多かったが工夫し、たくましくなったことを表現している。

 気がかりな傾向も。「知識、スキルに関する吸収力は高いが、深く考え抜く粘り強さに欠ける」「グループワークの際には、失敗を恐れて模範解答を求める。自分で深く考える意欲は乏しく、相手に迎合してしまうことも多い」。約3万人に新人研修をした「インソース」(東京)の分析だ。

■新入社員交流増に工夫

 道内企業の見方はどうか。

 ニトリホールディングスは「LIVEタオル型」と見立てる。コロナによって従来とは異なる就活に「振り回された」今年の新入社員を、ライブでの応援グッズに例え、だからこそ「自分の未来やキャリアについて真剣に考え、『華やかな自分色』を持つ人も多い」とみている。

 NTT東日本-北海道は「コロナに翻弄(ほんろう)されながらも努めて冷静に現状を受け入れ、順応する」、道内の建設会社は「おとなしい社員と能動的な社員に分かれる」、イオン北海道は「年々、積極的にぐいぐい行くというより、素直で真面目、こつこつ取り組むタイプが増えている」と指摘する。

 アインホールディングス、JR北海道、北電は「特に従来の新人との違いはない」とした。

 北洋銀行は「新人自身に違いはない」としつつ、感染症対策でじかに接する機会が少ないため「同期や支店内の行員と横のつながりが弱い」と従来と異なる点を挙げた。このため、新人同士の交流を目的にオンライン研修会を毎月実施している。

 アインホールディングスも、先輩社員訪問など入社前の就職内定者と会社との接点がコロナ禍でなくなり、「新入社員と会社、新入社員同士のラポール(信頼関係)の形成に時間を要した」という。

 会社と新入社員とのつながりを深めるためには、「社内のさまざまな部署、店舗の店長など先輩社員と接する機会を設ける」(ニトリホールディングス)など各社が工夫を凝らしている。

■目標設定し「まず行動」

 コロナ禍を経て、求められる学生を各社に尋ね=表=、それらを踏まえ、学生への助言をもらった。

 ニトリホールディングスは「どのような状況下でも自分の夢を掲げ、自分で目標を設定し『まず行動』してほしい」という。道内の建設会社は、コミュニケーション能力を高めることを望む。

 就活へのアドバイスとしては、アインホールディングスは、コロナの影響が見通せないとして、早めに就活をスタートし、少し深めに業界研究、企業研究をすることを勧める。オンライン面接については、「自分の主張をしっかり伝えるため相手と目線を合わせることが一番」とし、カメラを見て話すことができるよう練習を促す。

 JR北海道は、学生が早くから企業を絞り込んでインターンシップや企業研究説明会などに参加する傾向が、就活のオンライン化でさらに進んでいるとみている。そして「積極的に多くの企業の説明会等に参加して視野を広げてほしい」と求める。

■挑戦に必要な物語性 読書で伝達力高めて

 就活カフェ「13LABO」(札幌)を運営するオガワヤ社長の小川陽平さん(31)の話

 企業はチャレンジする学生を求めており、コロナ禍の前後であまり変わっていない。

 変わったのはチャレンジの内容。以前は「自転車で日本一周した」「外国に留学した」と学生はアピールできたが、いまはボランティアやアルバイトなど規模の小さいものになっている。

 だから、より「ストーリー性」が求められる。どんな課題があると思って取り組んだのか、どのように進め、どうモチベーションを保ったのか、チャレンジによって自分がどう変化したか、などだ。

 意欲的な学生はコロナ禍でも変わらず、やりたいことを探し取り組んでいる。一方でサークルなどに入るきっかけを失い、組織に属さない学生が増え二極化した。

 組織で他者と触れ、失敗から学ぶ経験ができないのはもったいない。企業が学生と共にまちづくりについて考えるなど、学生がチャレンジする場所を提供してほしい。

 チャレンジする意欲のわかない学生は、精神の安定を優先し無理はしない方がいい。ただ、本は読んだ方がいいと思う。

 コロナ禍でコミュニケーションの取り方が変わり、対面の交流が減ると、文字で伝え、文字を読み解く力が求められる。読書はそうした場面で役に立つ。

■インターンシップ

 NTT東日本-北海道は新型コロナ感染対策として8月に5日間、夏季インターンシップをオンラインで実施した。札幌、函館、釧路などから24人の大学生と高専生が参加。体験、見学を動画視聴に切り替えたほかは、対面で行ったコロナ禍以前とほぼ同じ内容。参加者同士の熱気が対面より伝わりづらいグループワークでは、話し合うテーマを具体的にするなど工夫した。「できれば対面で施設や働いている人を見たかった」という学生も、5、6人でのグループワークについて「人数がちょうどよく、参加者の距離が近くて壁がなく話ができた」と満足そうだった。

<取材後記> NTT東日本-北海道のオンラインインターンシップは大型スクリーンに学生を映していました。「画面越しでも前のめり感は伝わってくる」と担当社員。そばで見ていると、気の緩みや微妙な表情の変化も見抜かれそうです。学生側は、不本意な印象を与えない準備も必要かなと思いました。(H)

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