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強まる「ロックダウン」論 感染拡大、対策手詰まり 私権制限懸念 効果疑問も

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出などを厳しく制限する「ロックダウン(都市封鎖)」の検討を求める声が強まっている。国は検討に慎重姿勢だが、一部専門家や全国知事会は国に検討を要望。背景には現行の対策では感染拡大に歯止めがかからないことがある。ただロックダウンは憲法が保障する個人の自由の制限につながる恐れがある上、実施した諸外国でも感染拡大を封じ込められておらず、検討の動きを懸念する専門家もいる。

 「感染爆発の現状を大きく改善させるには、ロックダウンの導入はやむを得ない。緊急事態宣言だけでは限界であり、ワクチン接種や病床の確保を進めつつ、宣言よりもう二段、三段強い措置をとるべきだ」。神戸大の岩田健太郎教授(臨床感染症学)はこう強調し、鉄道や航空各社に協力を要請して、地域をまたぐ移動を中心に強い制限をかけることが急務と主張する。

 ロックダウンは一定期間、外出の禁止や営業禁止、交通機関停止などを行う措置で、米国や英国、フランスなどでとられてきた。罰則を科す国もあり、内容や強制力の強さは国によって異なる。日本では、コロナ対策の特別措置法で飲食店などを対象にした休業命令や過料などが定められているが、個人の行動については自粛要請が中心だ。

 ロックダウンの検討を求める声は全国で感染が急拡大した今月、相次いだ。政府の要請に国民の協力が得られにくくなっていることが背景にあり、全国知事会は1日に「ロックダウンのような手法」の検討を国に提言し、20日も「ロックダウンのような徹底した人流抑制策について、速やかに検討すること」と重ねて求めた。

 検討を求める声は道内の専門家からも上がる。札幌保健医療大の小林清一教授(臨床免疫学)は「道内でも緊急事態宣言に慣れ、要請を守らない人が出ている。ロックダウンと呼ぶかは別として、緊急事態宣言より一段強い措置を検討、準備することが重要だ」と話す。

 ロックダウンの効果を疑問視する声もある。愛知県立大の清水宣明教授(感染制御学)は「ロックダウンは『大火事』の段階での鎮圧には向かない。広範囲に感染が広がった現状では意味がなく、社会機能を止める経済的損失も大きい」と語る。実際に欧州各国では外出規制が繰り返された結果、経済や市民生活は打撃を受け、感染の流行も封じ込められていない。

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