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【回答者 高森健弁護士】スーパーで天ぷら踏み転倒 けがの損害賠償は

質問 30代主婦です。いつも利用しているスーパーの総菜コーナーに行ったところ、誰かが床に落とした天ぷらに気づかず、それを踏んで転倒し、骨折する大けがを負いました。落とした人が分からないのですが、損害賠償を求めることはできますか。

回答 天ぷらを落とした人が誰か分からない以上、その人を探し出して損害賠償を求めることは、事実上不可能です。それでは、スーパーには損害賠償を求めることはできるでしょうか。

 一般論として、スーパーのように不特定多数の利用客が来店する施設を管理する者は、客が安全に利用できる環境を提供する「安全管理義務」があります。

 北海道のような雪国では、冬季に床の清掃を怠り、ぬれた床で滑ってけがをした場合、安全管理義務違反を理由に賠償責任を認められる例も少なくありません。

 ただ、床に天ぷらが落ちているのはよくあることではありません。それでもスーパーは責任を負うのでしょうか。

 同様の事例で裁判になった例があります。この裁判では、スーパーの利用客が誤って床に総菜を落とすことは予測できたとした上で、スーパーが安全確認を強化・徹底して床に物が落ちたままにならないようにする義務を怠っていたとして、スーパーの賠償責任を認めました。

 利用客が自分で天ぷらなどの総菜を容器に取り分ける販売方法の場合、パック詰めや袋詰めが不完全で、例えばレジに向かう途中に総菜が床に落下することは予想できます。従業員による定期的な見回りなど、十分な安全対策を取っていなければ、スーパーの賠償責任が認められることはあり得るでしょう。

 ただ、天ぷらのような目立つ物が床に落ちていれば、普通はすぐに気がつくはずです。それを見落としたあなたにも、一定の過失があるといえます。従って、スーパーに賠償責任が認められる場合でも、損害のすべてを請求することはできず、半分程度にとどまると考えた方がいいでしょう。これを過失相殺といいます。(たかもり・つよし)

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