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出土品が語る文化や歴史 苫小牧市美術博物館で特別展 ミミズク土偶は顔立ちユニーク

 全国各地の最新の遺跡発掘成果を伝える特別展「発掘された日本列島2021」が31日、苫小牧市美術博物館(末広町3)で始まる。縄文時代から江戸時代までの道内外の42遺跡で発掘された土偶など約630点を展示。列島各地で花開いた文化の多様性や、個性豊かな歴史の歩みを実感できる内容だ。

 今年で27回目を迎える全国巡回展で、文化庁と同館、北海道新聞社などが主催。道内開催は14年ぶり3度目で苫小牧では初めて。今年の巡回展は東京都内、群馬県高崎市を含む3会場。

 展示は3部構成で、初の企画「我(わ)がまちが誇る遺跡」では、「海と人との関わり」を軸に三つの地域を紹介する。縄文人が豊かな資源を求め、海辺に生活圏を広げたことを伝える千葉県市原市の集落跡からは、耳飾りなどの出土品を展示。ほかにも水運で栄えた広島県福山市の遺跡で見つかった土器なども並べ、地域の調査研究の成果を伝える。

 一方、「新発見考古速報」では、近年発掘された出土品が並ぶ。千葉県我孫子市にある縄文の下ケ戸(さげと)貝塚からはミミズクのような顔立ちの土偶、室町―戦国時代の山形県米沢市の大南遺跡からは木製の「僧形神立像」が出展される。

 地元の遺跡をテーマにした「地域展示」では「環壕(かんごう)をつくった人々」と題し、環のように壕(水を入れない堀)が巡らされた苫小牧の静川遺跡や千歳、恵庭の遺跡の出土品、調査時の写真などを公開。これらは縄文時代の「環壕遺跡」で、全国でもこの地域だけに存在するとされる。学芸員が調査の成果をスライドで解説する「スライドトーク」も、8月1、7、22日と9月4日に午前11時、午後2時の各2回、研修室で行う。それぞれ先着25人まで。

 特別展は9月12日までの午前9時半~午後5時。観覧料は一般600円、高校・大学生400円、中学生以下無料。月曜休館(8月9日は開館し10日休館)。問い合わせは博物館(電)0144・35・2550へ。(小野柚香)

■文字資料の空白、埋めるのは出土品 学芸員に見どころ聞く


 苫小牧市美術博物館の岩波連学芸員(33)に特別展の見どころを聞いた。(聞き手・小野柚香)

 ――展示の目玉は。

 「一つは千葉県の下ケ戸貝塚から発掘されたミミズク土偶です。ユニークな顔立ちで北海道の土偶とは姿形が異なるので見比べてみてほしい。山形県の大南遺跡で見つかった木製馬は、子どもが遊んでいる姿がリアルに想像できます。地域による文化の違いや当時の暮らしが見えてきます」

 ――モノから多くのことが分かるのですね。

 「江戸後期の庶民の家で見つかった菊の御紋が入った器も展示します。天皇しか使えなかったとされる紋であり、使い古しの器が下の階級に流れていたことが分かります。文字資料だけでは分からない時代の空白部分を、出土品を通じて明らかにできることもあるというところに、考古学の面白さがあります」

 ――展示品は幅広い地域、時代にまたがっています。

 「道内で普段見ることのできない資料や時代、地域を越えた資料が集まっており、それらを1カ所で見ることができるのが特別展のの魅力です。同時代の地域文化の違いや、違う時代の同じモノを見比べるのも面白いでしょう」

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