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幌延深地層研 追加掘削容認できない

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 日本原子力研究開発機構が宗谷管内幌延町の幌延深地層研究センターで実施している高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分研究で道と幌延町は、坑道を500メートルまで掘削することを容認した。

 機構は、当初は2020年度ごろまでとしていた研究期間を、十分な説明もないまま28年度ごろまでに延長した。追加掘削の必要性を強調しだしたのはその後だ。

 変更を小出しにする対応は地元の自治体や住民に対する誠実な姿勢とは言えず、延長ありきだったと言わざるを得ない。

 地下水の異常出水などで掘削工事が長期化すれば、研究の再延長も懸念される。道は追加掘削について検討を尽くし、疑問点を解消した上で同意したのだろうか。

 研究の長期化につながりかねない追加掘削は容認できない。

 機構は25年12月ごろに追加掘削を完了させるとしている。現行の350メートルとは異なる地質環境が分かり、技術基盤の整備にも役立つと訴えた。

 機構は岐阜県瑞浪市の超深地層研究所で既に500メートルの調査を実施している。瑞浪の地層は結晶質岩で、幌延は堆積岩だ。地質が異なり、多様なデータを集める必要があると言う。

 ならば期間延長時になぜ正面から説明しなかったのか。研究を長期化させる布石として後から持ち出したとみられても仕方がない。

 解せないのは、研究のさらなる延長の可能性について、道と幌延町が確認した内容だ。

 機構は再延長は想定していないとしている。

 しかし研究期間の「調整」が必要と判断した場合には道と町に速やかに報告し、協議するという。

 協議が調わなければ「計画は変更せず終了する」ことも確認したが、事実上、道が再延長の余地を機構側に与えたことになる。曖昧な対応は道民の不信感を生む。

 そもそも道と町、機構は最終処分場転用への疑念を払拭(ふっしょく)するため3者協定を結び、研究区域を最終処分場にせず研究終了後は地下施設を埋め戻すと明記している。

 ならば、機構は終了と埋め戻しの時期を明示し、それまでに研究を完全に終えると確約すべきだ。

 それをしない姿勢からは、結局は最終処分場とする選択肢を残したいとの意図が透け、反対派住民らの疑念につながっている。

 鈴木直道知事は核のごみを受け入れ難いとする「核抜き条例」の趣旨を踏まえ、毅然(きぜん)と対応してもらいたい。

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