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コロナ対策迷走 政権の機能不全 顕著だ

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 政府の新型コロナウイルス対策が迷走している。

 酒の提供を続ける飲食店との取引停止を酒類販売事業者に求めた対策が撤回に追い込まれた。金融機関に酒の提供停止に応じない飲食店への働き掛けを求める要請の撤回に続く失態である。

 いずれもコロナ対策を担う西村康稔経済再生担当相が打ち出していた。

 休業や営業時間短縮などの要請は行政への信頼がなければ、効力は高まらない。

 法的根拠の疑わしい強権的な方針を表明し、即刻取り下げた対応は政府への信頼を失墜させた。

 西村氏はきのうの衆院内閣委員会の閉会中審査で「事業者に不安を与えた」と謝罪したが、所管大臣としての資質が問われよう。

 要請は菅義偉首相や関係閣僚に事前に説明されていた。内容の妥当性を閣内で十分に議論しないまま決定したことになる。政権の機能不全は拭えない。

 東京の新規感染者数が再び千人を超えた中で五輪開幕を迎える。政府はコロナ対策を抜本的に立て直さなければならない。

 看過できないのは政権幹部の無責任な言動だ。

 首相は当初、要請は「承知していない」と述べていたが、きのうになって「具体的な内容を議論していない」と説明を変えた。詭弁(きべん)と言うほかない。

 麻生太郎財務相は事前報告を認めながら「普通に考えたらおかしい。ほっとけと思った」と語る。梶山弘志経済産業相も「強い違和感を覚えた。私が了承した事実はない」と強調する。

 閣僚としての自覚を欠く。

 ワクチンを巡っても、首相が掲げた「1日100万回」の目標を実現するため、接種を急がせた政府の甘い見通しで供給不足の懸念が膨らんでいる。

 政府は「4千万回分の在庫が市中にある」と主張し、供給を受ける自治体などに原因があるかのような態度も示す。

 ワクチンを所管する河野太郎行政改革担当相は衆院内閣委で、11月までに希望する国民に接種を完了するとした政府目標は達成可能と強弁した。

 在庫や供給量などの実態を把握せずに意気込みばかりを語っても混乱は収まらない。

 野党は憲法に基づく臨時国会の召集を政府に求める構えを見せる。首相は速やかに要求に応じ、国会でこれまでの対策の検証と今後の方策を語るべきだ。

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