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<札幌 地下街50年 変遷見つめて>上 流行に敏感 業界も注目

 「わぁ、かわいい!」。パッケージに愛らしいヤギの絵をあしらったプリンやミルクに客が歓声を上げる。

 札幌市中央区の大通公園下に延びる「さっぽろ地下街・オーロラタウン」。3月、全国でも珍しいヤギの乳を使った乳製品専門店「プティ・シェーヴル」が開店した。店を運営する弘安倉庫(札幌)の大星孝幸社長(78)は「さっぽろ地下街は昔から流行の発信地。出店は念願でした」と話す。

 地下鉄大通駅―すすきの駅間を南北に延びる「ポールタウン(400メートル)」と、東西の「オーロラタウン(312メートル)」の2街区からなる「さっぽろ地下街」。高度成長期の1971年に札幌中心部に誕生した商業空間は、冬も快適に買い物ができる場として市民らに親しまれている。

■全国で売れる

 「地下街は滞在型の百貨店と違ってお客さまの判断が早い。いかに目を引く商品を並べるかが重要」。地下街開業時からポールタウンで営業する老舗靴店「シューズショップIWAI」の岩井久社長(48)は話す。

 札幌で売れた品は全国でも売れる、といわれる。同店は90年代、若者に大ヒットした厚底ブーツをいち早く販売した。「問屋が冬物の新作ブーツを置き、東京で売れるか判断したようです。北海道の人は流行への憧れや感度が強く、人通りの多い店舗は情報源にもなっていたはずです」

■インコを飼育

 冬の間も自然を感じられるようにと、開業時からあるオーロラタウンの「小鳥のひろば」。ガラス越しに色とりどりのセキセイインコ約20羽を見られる癒やしの場だ。産学官でつくる都市地下空間活用研究会(東京)は「飼育施設を常設する地下街は国内で他に聞いたことがない」。地下街を運営する札幌都市開発公社の担当者玉木努さん(42)は「お気に入りに名前を付ける方もいて、多くの方々に見守られていると強く感じます」と話す。

 「文化・情報・流行を先取りし、心のふれあいを大切にする街」。テナントでつくる札幌地下街商店会が定める基本理念だ。

 札幌冬季五輪開幕の約2カ月半前に誕生したさっぽろ地下街は11月、開業50周年を迎える。新型コロナウイルス感染拡大の逆境の中で前を向く店舗や、地下街での人々のふれあいに思いを寄せる人たちを取材した。(報道センターの中橋邦仁が担当します)

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