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<訪問>「小林克也 洋楽の旅」を書いた 小林克也(こばやし・かつや)さん

音楽と時代との関わり 若い人に

 本書は、米軍放送で洋楽、英語と出合った筆者が半生をつづる。DJ歴は半世紀を超えた。1981年に始まった人気音楽番組「ベストヒットUSA」では洋楽をビデオで紹介、多くのミュージシャンにインタビューを重ねた。一度終了したが、2003年にBSで復活、放送開始から40年を迎えた。今や音楽も映像もネットで楽しめるが、番組は音楽好きに好評だ。「ネットにはネットの、番組には番組の役割があると思うんです」

 バンドやミュージシャンを紹介する時、「どんなグループだったとか、どんな現象だったとか、正体みたいなものを伝えている」という。例えばイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」の録音は1976年。「その時どういう盛り上がりだったのか。アメリカ建国200年祭のころだったが、時代の勢いだけじゃなく、彼らがしっかりした何かを持って作ってたのが分かれば、それを伝えた」。時を経て今、「(何十年も前のいい音楽を)若い人にも知ってもらいたい。音楽が時代とどう関わったのかを語れたらいいかな」

 元ビートルズのメンバーをはじめ、カーペンターズ、マドンナら、時代を映す多くの面々と対面。「回数で言うと、ブライアン・フェリーが一番多かったかな。外国のミュージシャンは(日本人にとって)遠い存在だった。距離があるから珍しさもあって、視聴者は(インタビューを)待ってたのでは」。15分、30分と時間の制約がある中だったが、自ら楽しみながら、直接対話を重ねた。

 現在、ラジオのレギュラーを5本抱え、それにテレビの「ベストヒット」が加わる。「もともと中途半端な人間で、おしゃべりがあまり得意じゃない」と明かし、徳川夢声やオーソン・ウェルズのような語りの要素を入れ、洋楽の歌詞を劇仕立てにしたり、放送事故すれすれの沈黙―「間」を活用したり工夫を凝らす。「沈黙も使いようで、ラジオでもテレビでもすごく受けたりね。使いこなせたら本物かも」。DJの旅、洋楽の旅はまだまだ続く。80歳。広島県出身。

編集委員 恵本俊文

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