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#「M―PRO」キックオフ #長期インターン 地元企業の魅力、動画に

 企業・業界研究に欠かせないインターンシップ(就業体験)。採用選考活動と直結した「ワンデー」などの短期型は事実上の企業説明会になっているが、より深く知ることができる長期型にも目を向けたい。札幌商工会議所と北海道新聞社が共催する「学生による企業の魅力発信プロジェクト」(M―PRO)は、札幌圏の中小企業に3カ月間、足を運び、経営者や社員と交流しながらその会社のPR動画を制作するという課題に挑む。就活の枠を超えたキャリア教育としても注目だ。(長谷川賢)

 3日、オンライン会議システム「ズーム」でキックオフ・ミーティングが開かれた。参加企業は札幌圏の9社。学生側は札幌大や藤女子大など5大学から2年生24人、3年生8人の計32人。ゼミ単位に加え、今回初めて個人参加もあり、大学混合チームを編成し1チーム3~5人で活動する。

■社長にインタビュー

 学生に与えられた課題は1分以上3分以内の動画作り。8月までは企業を訪問したり、オンライン会議に参加したりし、場合によっては社長にインタビュー取材をし、社員が働く現場の映像も撮るなどして、動画のイメージを膨らませる。

 動画の提出期限である9月16日に向けて、集めた素材に字幕や効果音などを入れる編集作業を行う。完成した動画は同28日からM―PRO公式サイトで公開する。10月10日の成果発表会で各チームがプレゼンテーションを行い、審査の結果、最優秀賞を決める。

 同じように企業動画制作に取り組んでいる室蘭工業大が、M―PROとの連携を呼びかけ、10月の発表会で室工大生が作った動画も上映する方向で調整している。

 小樽商科大社会情報学科2年の白崎俊太郎さん(20)は新聞で参加者募集の記事を見てエントリーした。「企業を内部から知る機会はなかなかないので、貴重な体験ができると思った」と動機を語る。将来は何かを伝える仕事に興味があるといい、広告業か観光業を志望している。

 白崎さんが北星学園大の3人とチームを組んで担当することになるハイテックシステム(恵庭)は、水力発電の制御装置などを手がけている会社だ。ズームでのミーティングに参加した酒井裕司専務(45)は「うちの仕事は内容が伝わりにくいので、以前から動画によるPRを考えていた。いい動画ができれば実際に営業や採用活動などで使いたい」と期待する。

■売る側の目線学べる

 ゼミの一環で取り組んでいる北海学園大経営学部の佐藤大輔教授(経営管理論)は「視点の移行がポイントになる」と学生に助言する。ある商品を買う顧客目線と、売る側である企業の立場の目線があり、学生は前者の視点になりがちだが、企業を理解するには「実は両方とも大事」と強調する。M―PROは企業・業界研究の新しい形として大学生と企業の双方に実りをもたらしそうだ。

<ことば>M―PRO 優秀な人材の道外流出を食い止めようと札幌商工会議所が地元企業の魅力を大学生に知らせる長期インターンシップ事業を2017年度に開始。18年度は「プロジェクト180(ワンエイティ)」と銘打って企業と学生が新規事業に180日間本気で取り組むことを掲げた。19年度から名称を「M―PRO」に変更し、企業の採用パンフレットを作った。20年度からは動画制作を課題に据え、若い世代に響くコンテンツ作りを進めている。

<取材後記> コロナ禍で授業はオンライン、課外活動も自粛を余儀なくされ、思うような大学生活が送れていない世代が「何か行動したい」という動機で集まっている。キックオフ・ミーティングで北星学園大の足立清人教授が「まず参加を決断した自分をほめてください」と学生たちを評価した。同感だ。(K)

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