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深夜の札幌 クマ、川や水路通って住宅街に? 6月駆除、専門家「広域で情報共有を」

 札幌市東区で6月18日に男女4人を襲い駆除されたヒグマは、石狩管内当別町方面から石狩川を渡り、川や水路を通って住宅街まで来た可能性が高いことが専門家の現地調査などで分かった。専門家は深夜に市街地に入り込んだクマが朝に人の存在に気づき、パニックに陥ったと推測。道によると、東区で人がクマに襲われたのは1878年(明治11年)以来143年ぶりで、クマの目撃やふんなど痕跡の情報を広域的に共有するなどの対策強化が求められている。

 18日のクマの最初の目撃通報は同市東区北31東19の路上で、午前3時28分に通行人から「クマが歩いている」と110番があった。クマはいったん南下し、北に戻りながらごみ捨てに出た高齢者や通勤中の会社員、陸自丘珠駐屯地の自衛官ら4人に重軽傷を負わせ、丘珠空港の北側の茂みでハンターに駆除された。

■進めず路上に

 最初の目撃地点は、札樽道のすぐ近くで、住宅や24時間営業のコンビニエンスストアもある。クマはどこから来たのか―。現地を調査した道立総合研究機構の間野勉専門研究主幹は「クマは伏籠川から続く水路を通り、市街地にたどり着いた」と推測する。

 伏籠川は石狩川に注ぐ茨戸川の支流の一つ。水路は深さ約1・5メートル、幅約3メートルで、タマネギ畑が広がる北区上篠路から東区まで続いているが、クマの最初の目撃地点付近からは地下水路になる。間野さんは「クマは水路を進めなくなり、路上に上がったのだろう。目に入った人を襲ったが、パニック状態で、人を食べる意図はなかった」とみる。

 間野さんの推測を裏付ける目撃情報があったことも新たに分かった。道警によると、18日午前2時15分、上篠路の水路近くで「クマが南に歩いていった」と通行人から110番があった。通報を受け、警察官が現場を確認したが発見できなかったため、当初は関連情報に位置付けていなかったという。関係者によると付近では「何かがバシャバシャと水路を走る音が聞こえた」との情報もあった。

 さらに丘珠空港近くの介護老人保健施設の防犯カメラには、水路がある方向からクマが敷地内に入り、隣接する鉄工所にガラス窓を割って入る様子が写っていた。施設の柵には爪痕とみられる傷も残っていた。

■雌探して南下

 東区での出没に先立ち、5月29日には石狩川と茨戸川が接する北区の波連(はれ)湖付近でクマの目撃情報があり、6月には近くでふんや足跡も見つかっていた。札幌市にとっては、クマが石狩川を渡って北区や東区まで来る事態は想定外で、間野さんは「豊平川や創成川を通れば、クマが大通公園まで来る恐れもある。周辺自治体が連携し、住民への情報発信を強化するべきだ」と話している。(内山岳志)

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