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ススキノ「禁酒」もう無理 「周りも始めた」市内営業200店

 新型コロナウイルス感染対策で道内に発令中の緊急事態宣言が20日で解除される方向となり、焦点は酒類提供の扱いを含めた飲食店への自粛要請の行方に移った。鈴木直道知事は16日、札幌市内は今後も「強い措置」が必要だと訴えたが、休業や時短営業が長期化する中、札幌・ススキノでは「要請破り」に踏み切る飲食店が増加している。「従業員の生活を守るため」「孤独に耐えられない」。宣言解除を待たず、夜の街には人が戻り始め、飲食店に特化した感染対策には手詰まり感も漂う。

 「我慢の限界だった。開いている店を探して出歩く人が増え、周りの店も営業を始めた」。ススキノのラムしゃぶ店「工藤羊肉店2号店」の坂下真宏・統括マネジャー(22)は16日、若者や会社員でにぎわう店内でこう言い切った。

■生活のため

 5月末までは道の休業要請に応じてきたが、宣言延長となった今月1日、酒類提供も含めて通常営業を再開した。約50席の店内は連日、午前0時の閉店までほぼ満席のにぎわいに。「協力支援金だけでは約30人の従業員の給料は払えない。悩み抜いた結果、行政の要請より従業員の生活を守ることを決めた」と言う。

 道は今月8日までに要請に応じない飲食店50店に行政指導を行ったが、休業したのは8店のみ。札幌市幹部は「6月に入り、要請破りの店は200店近くに増えた。『今、店を開けたらぼろもうけだ』という声も聞こえる」と嘆く。札幌・狸小路商店街にある居酒屋の男性店主は「21日以降も酒の規制が続くなら、今度は従えない」と話した。

 ススキノ周辺では酔客も目立ち始めた。6月上旬、創成川沿いの公園で缶酎ハイを飲んでいた30代の女性は「宣言が出ているから、お酒を飲みに出ちゃいけないのはわかっている。罪悪感もある」と言った。

 大学卒業後、憧れの航空業界に就職し、充実した生活を送ってきたが、コロナ禍で状況は一変した。仕事量が減って自宅待機が増え、孤独感を強める中、話し相手になってくれたのは近所のバーの店員や常連客だった。「元々は1人で飲みに出るタイプでなく、お酒は話すためのツールだった。今は飲むことが習慣になってしまった」と漏らす。

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