PR
PR

男性版産休どう定着 来年10月にも新制度

 改正育児・介護休業法などが成立したことを受け、男性の育児参加を後押しする新たな育児休業制度が来年10月にも始まる。新設される「出生時育児休業(男性版産休)」では、男性は子の誕生から8週間以内に最大4週間、分割して休みが取れる。育休も2回に分けて取得できるよう制度変更し、男性にも仕事と育児の両立を促す。道内で働く父親を支援する団体や、育休取得に力を入れる企業の担当者に、新制度に対する受け止めや現状について聞いた。

■職場の理解広げたい パパ育休プロジェクト・コーディネーター・藤村侯仁さん(47)

 「育休を取ると、職場の評価が下がる」。そう心配する男性は少なくありません。札幌市内で、働く父親の子育てを支援する活動を行う中で、育休後に評価が下がったという男性が身近に何人もいました。道内は、男性の育休への理解が足りない職場がまだ多いと感じます。法改正は、状況改善への大きな一歩です。

 改正法では、企業が従業員に対し、育休制度を説明し、取得するか意向を確認することが義務づけられます。育休を望む男性は、会社に申告しやすくなるでしょう。育休を考えていなかった男性にとっては、制度を知るチャンスです。

 子どもが1歳になるまでに最大4回まで分けて休めるようになると、仕事の状況に合わせて、休む期間を考えられます。積極的に育休を取る男性が増えるのではないでしょうか。低迷する男性の育休取得率を上げる現実的な策と思います。

 私は、長女が生まれた2013年に、当時勤めていた会社で5カ月間、育休を取りました。生後8週間までの乳児は生活サイクルに昼夜がなく、授乳、おむつ交換など、育児は24時間体制でした。家事も加わると、母親だけではオーバーワークだと実感しました。この時期に産後うつに陥る母親が多いのは、そのためでしょう。産後は、夫の育児参加が欠かせません。

 育児に意欲的な若い男性は増えています。今後の課題は、まとまった休みが無理なく取れるような、働き方の変革だと思います。(佐竹直子)

■繰り返し意向を確認 北海道銀行ダイバーシティ推進室室長・山内えり奈さん(44)

 今回の制度改正は、男性が育休を取りやすくなる良い流れだと思います。当行の2020年度の男性の育休取得率は96%、女性は100%。男性も育児ができるようになれば女性の負担が減り、男女とも活躍できる発展性のある企業になります。育休は、そのきっかけの一つです。

 当行では19年から、男性行員に子どもが生まれたら本人と直属の上司、支店長の3者に育休取得を促しています。連絡するのは生まれた直後、その後取れなければ半年後。それでも難しければ、10カ月後も電話などで呼びかけます。

 これらの経験から考えると、(来年4月から)義務化される企業による育休取得の意向確認は本人や上司に繰り返し行うことが大切です。気兼ねなく休める環境ができ、周囲も仕事の調整がしやすくなるからです。

 男性が育休を取る際にハードルは三つあります。一つ目は所得が下がること。当行では独自に3日間、本来は無給の育休を有給にしています。二つ目は職場の風土。これも取得者を増やすことで、「育休が取れる職場」という風土づくりを進めています。三つ目は仕事のやりくりですが、女性が周囲と仕事を調整して産休に入っている以上、男性も可能です。

 私も1児の母として、育児に関わる時間は貴重だと感じます。今、男性行員の育休は平均数日ですが、今後は希望すれば長く取れる環境を用意していきたいですね。(尾張めぐみ)

PR
ページの先頭へ戻る