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隔離から医療現場に 札幌の宿泊療養施設 「明日にも誰か死んじゃうんじゃないか」

 感染力が強く、重症化のスピードが速いとされる新型コロナウイルスの変異株が主流となった道内の感染「第4波」で、札幌市内では、軽症の陽性者を隔離するという宿泊療養施設の性質が一変した。病院の病床が埋まる中、容体が悪化した入所者に点滴や酸素投与を行う「医療現場」そのものだ。「明日にも誰か死んじゃうんじゃないか」。極度の緊張感の中で対応を続ける医師と看護師は「医療逼迫(ひっぱく)はすぐそばにあると知って」と語る。その現状を見た。

 「先生、90です」。8日午後2時すぎ、札幌市内のホテル1階。パソコンが並ぶ臨時の事務スペースで、看護師が緊張した声で医師に入所者の血中酸素濃度を告げた。ビニール張りのついたての向こうには車椅子に乗った60代の女性。3階の部屋で療養中だった。正常な数値である96~99%よりかなり低く、すぐに酸素投与が指示された。

 ホテルは昨年5月、軽症者向け宿泊療養施設として開設。最大600人超を収容する。臨時医療施設にも位置づけられ、日中は医師が常駐。昨秋の「第3波」では1日100人超が入所する日もあり、陽性者を隔離する役割も担ってきた。

 状況が変わり始めたのは4月下旬。軽症の入所者の容体が次々と、数日で悪化するようになった。5月8日には発熱や呼吸苦で診療を受ける人が約70人と最多に。市内のコロナ病床が逼迫し、入院が難しくなる中、この施設で診察する札幌医科大病院高度救命救急センターの水野浩利医師(43)は「入院できないのであれば、ここが入院機能を果たす必要があった」。

 ホテル1階は「病院」となった。宴会場にベッドを5台運び入れ、体調悪化した人に下りてきてもらい点滴や酸素投与を施した。ベッドは日ごとに増え、16台に。入院先が見つかるまで、防護服の看護師が24時間つきっきりになった。人手も限られる中、施設は入所者を150人程度に抑えざるを得なくなった。

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