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天皇の開会宣言 皇室像に影響も 世論二分の渦中に 「オリンピアードを祝い…」五輪憲章で規定

 東京五輪・パラリンピックの開催について、新型コロナウイルスの感染拡大への不安や中止を求める国民の声が強まる中、開会式で想定される天皇陛下の開会宣言が「国民に寄り添う皇室像」に悪影響を及ぼしかねないとの懸念が出ている。大会を祝う文言で開会を告げる姿が国内外に発信され、陛下が開催を支持しているとの印象を与えかねないためで、専門家は政府の対応が必要と指摘する。

 開会宣言についてオリンピック憲章は開催地の国の国家元首が読み上げると規定。宣言の文言を「わたしは、第(オリンピアードの番号)回近代オリンピアードを祝い、(開催地名)オリンピック競技大会の開会を宣言します」と明示している。オリンピアードは夏季五輪が開催される年から始まる4年間を意味し、第1回夏季五輪が開かれた1896年を起点とする。東京五輪の番号は32になる。

 これに関連し、当時官房長官だった菅義偉首相は2019年7月の記者会見で「日本国の象徴として開会のお言葉を述べられることは、国民総参加による夢と希望を分かち合う大会の実現や国際親善の観点からも有意義」と強調。前回東京五輪と札幌冬季五輪は昭和天皇、長野冬季五輪は上皇さまが開会宣言をした。

 陛下は新型コロナの影響を受ける介護施設関係者らを赤坂御所に招いて話を聞き、新年のビデオメッセージや5月の全国植樹祭のおことばでも新型コロナに言及し、国民生活への影響を案じる姿勢を示している。

 憲法は天皇の政治関与を禁じ、陛下が政府からの開会宣言の依頼を拒否することは事実上できない。小田部雄次・静岡福祉大名誉教授(日本近現代史)は陛下が断れないにもかかわらず、中止を求める声が根強い中で開会宣言を行えば「開催反対派は『陛下は(開催にこだわる)政府側なのか』と思うだろう」と指摘した上で、大会中にクラスターが発生するなどすれば「皇室の尊厳は傷つき、皇室が築き上げてきた国民との結びつきが壊れるおそれがある」と危惧する。

 河西秀哉・名古屋大大学院准教授(日本近現代史)も「国論が二分している問題の中に天皇を送り込むことになり問題だ」と語る。象徴天皇制が理解されていない外国や一部の国民から、陛下はコロナ禍の中での開催を支持していると受け取られかねないことを懸念し、「国民が開催を納得できるよう政府が丁寧に説明するとともに、開会宣言を天皇が行うことは事実上、五輪憲章で決まっていることを積極的に広報すべきだ」と話す。

 陛下の開会宣言について、西村泰彦宮内庁長官は5月27日の会見で「各関係機関が安全安心な大会にするべく調整をしている。現時点で宮内庁として東京五輪、パラリンピックに関して申し上げることはない」と述べた。(井上雄一)

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