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#コロナ禍2年目の就活 #2022年卒の選考解禁 積極、出遅れ 二極化鮮明

 2022年春に卒業する大学生らの就職活動は、政府ルールで1日に企業の選考活動が解禁となりヤマ場を迎えた。コロナ禍で2度目の今年はオンライン選考が定着。学生側は、自ら早期に動きだす人と、積極的に活動できない人との二極化が一段と鮮明になった、と道内の関係者は先行きを懸念する。昨年来、対面授業が減り学生間などの情報交換が難しいことが背景にあるとみられ、各大学は対策にあたる。(嘉指博行)

■周りの刺激受けにくく

 札幌の就職情報会社HBNが運営し、市内のホテルで5月中旬に開かれたダイヤモンド就活ナビ合同会社説明会。訪れた北海学園大4年の吉田圭佑さん(21)は「周りは就活をしている人と、していない人に分かれる。企業説明会はオンラインがほとんど。自分から探さないとたどりつけないので、そうなるのかも」と話した。

 「去年くらいから三極化しつつある」。札幌学院大キャリア支援課の見立てだ。コロナ禍の前は、インターンシップから早期の内々定につなげる積極的な学生と、彼らに影響され就活を始める学生とが合わさり、就活が遅れる学生との間で二分されていた。感染拡大で、キャンパスでの学生同士の交流や、教職員からハッパを掛けられる機会も失われ、周りの刺激で就活を始める「中間層」といえる学生が動いていないようだという。

 同大は対策として、学生に親しみの深い会員制交流サイト(SNS)を使った働きかけを強めている。無料通信アプリLINE(ライン)のオープンチャットで、就活に関するささいな質問も受け付け、回答を学生が共有できるようにした。「少しでも不安を解消し学生が就職活動に着手しやすくしたい」としている。

■都市と地方の差縮小も

 道外の学生が9割以上という東京農大オホーツクキャンパスのキャリアセンター事務課は、就活のオンライン化が進むことについて「地方の大学にとってありがたい。大都市圏の大学とのハンディが少し縮まった」と歓迎する。対面での就活やインターンシップは、授業など日程の都合で参加できないことがあるが、オンラインでは現地に赴く必要がなく制約が緩和された。交通費など費用も少なくなった。

 一方、授業もオンラインとなり「他の学生がどこまで就活を進めているか分からない」といった質問が寄せられ、早期から活動する学生と、そうでない学生の二極化は大きくなっているという。

 同大では、オンライン授業が続く中でも就活に関する授業は、動画を視聴するオンデマンド型ではなく、同時双方向型として質問を受け、学生の意識向上に努める。

 北大キャリア支援課も二極化を感じている。さまざまな情報を発信しても反応が鈍く、就活のタイミングを逃す学生がみられ、効果的なアドバイスが課題だという。

■相性良い会社探して 就職情報会社HBN・広崎匡(ただす)社長

 オンラインをうまく使いこなせる学生は就職活動をどんどん進めており、オンラインに対応しきれず動けない学生との間で二極化がより鮮明になっている。

 中には、ほとんど就活をしていないような学生もいる。コロナ禍だから就活しても無理じゃないか、と冷めているのか。リーマン・ショック後の不景気の時期に、学生たちが必死で活動していたのとはかなり温度差がある。

 就活は「できる、できない」ではなく、「やるか、やらないか」だ。コロナ禍でも採用する企業はある。大切なことは、大手や人気企業ばかりを見るのではなく、自分
と相性の良い会社を徹底的に探す努力をすることだ。

 道内では昨年より採用数を増やす企業は少ない。景気の先行きが見えないことと中途採用をするなどで、新卒採用の人数半減や中止を打ち出す企業も出ており、学生にとって楽観できる状況ではない。

 しかし、就活でオンラインが可能となり、道外の企業は地域を問わず学生との接触の機会を設けている。道内の学生も勤務地などの条件にこだわらなければ、ピンチをチャンスに変えることは十分に可能だ。

<取材後記> 「入ってくる情報を整理できず、体がついていけていない」。札幌の合同会社説明会で学生と接した運営担当者が心配します。コロナ禍で大学に通えず、相談する機会をつかめないのかもしれません。大学のキャリアセンターは手を差し伸べようとしています。双方がつながれば、と思います。(H)

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