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<そうなのねゼミ>3 #eスポーツ論 老若男女障壁なく対戦 北海道情報大情報メディア学部・河原大講師

 学びの楽しさを案内するシリーズ「そうなのねゼミ」。第3回はeスポーツ論。夢さぽ大学1年生の知美さんが北海道情報大学情報メディア学部の河原大(まさる)講師を訪ねた。(長谷川賢)

知美 体を使ってないのにスポーツと呼ぶのは違和感があります。そもそもeスポーツの定義は何ですか?

■電子機器使った「娯楽」

河原講師 いい質問です。まずeスポーツの「e」が何を表しているか知っていますか?「electronic」(電子の)の頭文字です。eメールと同じで、パソコンなどの電子機器を使った競技という意味です。ではなぜスポーツと言えるのか。スポーツの語源を探ると「気晴らし」「娯楽」というのがあり、必ずしも運動だけを指しません。実際、チェスや囲碁などをマインドスポーツと呼んだり、自動車レースをモータースポーツと言ったりします。

知美 なるほど。ゲームを否定的に見る人もいるので、スポーツだと思えばイメージが変わります。

河原講師 ただしゲーム=eスポーツではないので注意してください。特定のルールのもとで人と人が対戦し、勝ち負けを決めるゲームがeスポーツに該当します。例えば「ストリートファイター」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」のような格闘ゲームは対戦相手をノックアウトさせるので分かりやすいですが、「テトリス」や「ぷよぷよ」などのパズルゲームも対戦型のルール設定で相手を先にゲームオーバーさせれば勝ちなのでeスポーツになります。運の要素が強すぎるゲームはギャンブル性も高く、スポーツから離れます。体格や年齢、性別、障害の有無にかかわらず競い合えるのもeスポーツの良さですね。大会で小学生が優勝することも珍しくないです。

知美 eスポーツという言葉が使われるようになったのはいつごろからなのでしょうか?

■2018年が日本の「元年」

河原講師 どこの国で誰が言い出したかは諸説ありますが、2000年前後からeスポーツという言葉が使われるようになりました。日本では18年が「eスポーツ元年」とされています。その年に関係団体を統合する形で「日本eスポーツ連合」が発足し、プロ選手を認定するライセンス制度が導入されました。同年の新語・流行語大賞トップテンにeスポーツが入りました。19年には茨城国体で文化プログラムながら都道府県対抗eスポーツ選手権が開催されました。道内では今年2月、旭川にeスポーツ競技場「コクゲキ」がオープンし、札幌では過去最大級の北海道eスポーツフェスティバルが開かれました。

知美 まだ歴史は短いのですね。学問としては?

■学生サークル次々誕生

河原講師 新しいテーマと言えます。大学でも学びたいという学生は増えているのですが、教える側の態勢が十分とは言えません。道情報大にはゲームデザインとゲームプログラミングのコースがあります。北大や北海学園大、北星学園大などにはeスポーツサークルがあります。つい先日も稚内北星学園大にeスポーツ部が創設されたと報道されていました。今後、ますます広がっていくでしょう。

知美 そうなのですね。デバイスと通信技術の発達でオンラインが当たり前になり、新型コロナ禍もその動きを加速させています。先生の話を聞いて、もっと学んでみたくなりました。

■河原ゼミ出身者の今
映像の企画、制作担当 滝本夕貴さん(23)=2020年卒、勤務先・イクサ札幌スタジオ

 アニメやゲームが好きで河原先生のゼミを選びました。卒業制作で取り組んだ雪合戦ゲーム「SnowFighters(スノーファイターズ)」は商品化まで進み、北海道eスポーツフェスティバルでも体験コーナーを設けてもらいました。さらに改良を加えて「ニンテンドースイッチ」でも遊べるようにしたいと思っています。

 勤務している会社はCG(コンピューターグラフィックス)映像の企画や制作を手がけています。私はスマホゲームなどを担当しています。コロナ禍のため今はテレワークが続いています。

 ゲームはキャラクターデザインだけでなくBGMや効果音も重要です。パソコンで楽曲作りをするDTM(デスクトップミュージック)のスキルは大学時代にサークルで身につけました。ゲームクリエーターになるという夢に向けて一歩ずつ前に進んでいきます。

 河原講師の推薦本や学生の就職先、人気のeスポーツタイトルなどを紹介した「補講」はこちらから。

<略歴>かわはら・まさる 札幌市出身。2001年に道教大札幌校教員養成課程(美術)卒業後、アニメ制作の合資会社ピコグラフ(札幌)に所属。03年に同大大学院教科教育専攻(デザイン)修了。札幌市立大非常勤講師などを経て18年から現職。専門は3DCG。43歳。

<取材後記> 老若男女が同じ土俵で戦えるeスポーツは近い将来、オリンピックの種目に採用される可能性があるという。ゲームのテクニックをきわめようと励むゲーマーたち。素振りを繰り返す野球選手と何が違うのだろう。ゲームに熱中する子供を頭ごなしに「ダメ」と叱りつけるのはやめようかな。(K)

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