PR
PR

「同じで違う」 Z世代の処世術

[PR]

 35歳の私より一回り若いZ世代と仕事で話す機会があります。Z世代は1990年半ば以降に生まれ、インターネットが当たり前の環境で生まれ育った世代です。この世代は皆と同じでありたいと思う一方で、周りと違う自分でありたいという、いわば二律背反の感覚を持っているようです。今回はこの「同じで違う」について考えます。

 まず「同じ」を辞書で調べると「複数の物事の間に差異がなく等しいこと」。一方「違う」は「両者の間に隔たりがあること」とあり、これだけを見れば両者が共存するのは難しそうです。Z世代の複数の大学生に「どういうこと?」と聞いてみました。すると「同じ」は「周りから外れたくない」という思い、例えば皆がスマホを持っているから自分も持つ。所有していないことで仲間外れになるのが怖いという危機意識がありました。他方「違う」を欲するのは「自分らしさを保つため」とのこと。完コピ(完璧にコピーするという意味の若者言葉)では埋没してしまう、少しは自分らしさを出したい、という心理があることが分かりました。ただ、自分を出しすぎると角が立つのでZ世代は「さりげなく」演出します。SNSでも投稿してから24時間で削除されるストーリー機能を使うのは主張しすぎないためのようです。

 「同じで違う」というZ世代の処世術は、これから社会で生きていく上で大切なスキルかもしれません。「同じで違う」を認め合えれば異世代間でも円滑なコミュニケーションがとれます。最近では「ダイバーシティー(多様性)&インクルージョン(一体性)」の重要性が叫ばれています。一見矛盾するようで実は個々がそれぞれの力を発揮できる職場のありようを表す言葉です。さて、みなさんの周りにある「同じで違う」は何ですか?(ふじやま・ひろふみ 北海道博報堂新どさんこ研究所研究員)

PR
ページの先頭へ戻る