PR
PR

親子2代で市立小樽文学館の館長 亀井志乃(かめい・しの)さん

 市立小樽文学館の新しい館長に4月、就任した。2014年3月まで14年間、同館館長を務めた北大名誉教授の故亀井秀雄さんの長女で、時を経て親子で同じ職責を担うことになった。「親子2代の館長は珍しいかもしれませんね」とほほ笑む。

 岩見沢市出身で、幼い頃から読書好き。日本近代文学の研究者だった父の影響もあり「実物の資料に触れて新たな発見を形にしたい」と学芸員を志した。1997年に北大大学院文学研究科の博士課程を修了。同大職員や道立文学館の研究員などを経て14年4月に小樽文学館に入り、主幹学芸員を務めてきた。

 小樽文学館との関わりは、父・秀雄さんの館長在任時から。展示の解説文の作成や市民向け講座に携わった。歌人石川啄木と親交のあった経済人高田紅果(こうか)や、経済学者で作家の早川三代治ら、一般的にはあまり知られていない小樽ゆかりの人の展示も担当。解説資料が少なく、難しかったというが、「こんなに素晴らしい人がいたとは」という来場者の感想にやりがいを感じた。

 16年に亡くなった秀雄さんは館長時代、文学の世界を市民に親しみやすく伝えるための講座を開催。作家の足跡をたどる「文学散歩」に参加するなど、市民との交流に心を砕いた。常に誠実に人と接し、質問にも丁寧に答えていたという。

 父の面影を思い起こしながら「文学、文化を支えてきた人たちを広く市民に伝えたい」と強く思う。文学館は敷居が高いと思われがち。だが「気軽に立ち寄りたくなるような場所にしたい」。58歳。(日野夏美)

PR
ページの先頭へ戻る