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<デジタル発>広がる多言語対応 生活相談や119番、観光案内 日本語もやさしく

 海外から注目を集める「北海道」。外国人の住民や観光客に向けて、生活や観光に関する情報を多言語で発信する取り組みが北海道でも広がっている。新型コロナウイルス禍で外国人住民が生活の支援制度に関する情報を求めるニーズが高まっているのに加え、訪日観光客は急減したものの、「コロナ後」を見据えて多言語対応を強化する動きもある。道内の多言語化の現状を探った。(文/報道センター・デジタルチーム 門馬羊次、野呂有里)

さまざまな言語で表示する札幌国際プラザと外国人相談窓口の看板
さまざまな言語で表示する札幌国際プラザと外国人相談窓口の看板

■外国人の相談 コロナで急増

 北海道では外国人住民の増加が続いている。

 道によると、道内の外国人住民は2015年(1月1日現在)に2万2902人だったが、20年(同)は4万1696人と1・8倍に増加。コロナ禍の影響が反映される21年の統計はまだ公表されていないが、北海道労働局によると、20年10月末現在の道内の外国人労働者数は2万5363人で過去最高を更新している。

 札幌市には1万5千人近くの外国人が暮らしており、道内全体の3割ほどが集中している。市は2019年11月に外国人相談窓口を開設。市の出資団体の札幌国際プラザ(中央区)が運営し、生活全般の困り事の相談に対応している。19年度の相談件数は4カ月間で103件だったが、20年度は878件にまで増えた。

 「新型コロナの感染拡大で相談が一気に増えました」。札幌国際プラザの岡部歌織・相談支援課長によると、各種給付金の申請などについての問い合わせが多いという。

 窓口でスタッフが対応できる外国語は、英語と中国語。日本語を話せない人の相談の大部分は、この2言語で対応可能だが、札幌市には約130カ国・地域の外国人が暮らしている。対応可能な言語を広げるために導入しているのが、「多言語コールセンター」だ。

 札幌市が契約するコールセンター業者は、ネパール語や、フィリピンで使うタガログ語など、アジアを中心に20言語で対応している。窓口に相談者が訪問した場合は、スタッフがコールセンターに電話をつなぎ、相談者の言語を話すオペレーターと3者間で、スピーカー機能を活用して会話する。電話相談の場合は、3者間で同時通話できるシステムを活用する。

札幌国際プラザが運営する外国人相談窓口。スタッフ(右)が電話をスピーカーにして多言語コールセンターにつなぎ、相談者と3者間で会話する
札幌国際プラザが運営する外国人相談窓口。スタッフ(右)が電話をスピーカーにして多言語コールセンターにつなぎ、相談者と3者間で会話する


 札幌国際プラザの相談窓口でコールセンターを活用した事例は、ロシア語やフランス語などまだ数件だが、岡部課長は「どんな言語でも対応できる態勢を整えていくことが大切」と強調する。

■「緊急通報」もサポート

 全国の消防や警察が緊急通報で、多言語コールセンターを活用する事例も増えている。紋別市と周辺4町村(滝上町、興部町、雄武町、西興部村)で構成する紋別地区消防組合は、2020年5月から多言語コールセンターの利用を始めた。19言語に対応可能で、通報時と、救急隊員が現場に到着時に使用する。これまでタイ語による急病人の通報1件にコールセンターを活用した。

 同組合管内は、水産加工場や牧場でベトナムなどの技能実習生が働いている。管内5市町村で計844人(3月末時点)の外国人が暮らしており、多言語対応に力を入れている。

 ただ、コールセンターにつなぐまでには難関もある。

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