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<富良野 国際リゾート 飛躍へ>上 発展途上 冷めぬ投資熱

 富良野市中心部から西に約2キロ。ホテル・ペンション街の北の峰町の中でも富良野スキー場に面した一等地でひときわ存在感を放つのは、昨年12月に開業した外資系大型コンドミニアム「フェニックス富良野」だ。地上6階建て、最高2億3千万円を筆頭に全33戸は開業前に完売した。

 「訪れる度にスキー場周辺の景色が変わり驚く」。毎冬、北の峰町の民宿に滞在してスキーを楽しむ大阪府岸和田市の元公務員前田朝司さん(63)は「コースは広く雪質も最高。富裕層なら別荘を買って冬を過ごしたくなる」とうなずく。

■コロナ後照準

 フェニックス富良野は、オーストラリアと香港の資本が入る後志管内倶知安町の不動産会社「H2グループ」が開発した。富良野市は同町を含むニセコ地区に続く国際リゾートに飛躍すると見込んでの投資で、北の峰町ではさらに2棟のコンドミニアム建設を計画。うち今夏に着工する1棟は既に分譲販売を始めた。

 同社富良野支店の成沢弘幸営業事務(48)は「新型コロナウイルスが収束したら必ず観光客は戻る。その時を見据えて先行投資する外国人は少なくない」と富良野の有望性を強調する。

 2020年度はコロナ禍で国内から外国人観光客が姿を消したが、19年度の富良野市の外国人宿泊者数は中国や香港、オーストラリアを中心に前年度比14%増の延べ15万3千人余りを記録。ニセコ地区の55万人には引けを取るが、10年間の伸びはニセコの2・6倍に対し、4・2倍と著しい。

 コロナ禍でも北の峰町や周辺への投資熱は冷めず、外国資本によるコンドミニアムや別荘の建設が続き、昨年7月時点の基準地価は1平方メートル当たり前年度比8・9%増の2万3300円と4年連続で上昇した。

■安い地価魅力

 それでも地価はニセコ地区の3分の1ほど。成沢氏は「土地が高いニセコ地区を避け、発展途上の富良野に投資をする人が多い」と明かす。国際標準のサービスを掲げるニセコと比べ、「気軽に地元の生活感を味わえる」と富良野を選ぶ外国人客も増えているという。スキーだけでなく、ラベンダーをはじめ花畑観光など夏の観光資源が豊富なのもニセコにはない魅力だ。

 ただ急速な観光開発には地元に不安感もあり、15年には当時の市長が「田園風景を守る」として中国資本が持ち込んだ大型リゾート開発の話を断ったこともある。「ポストニセコ」の最有力候補として国際的な一大リゾートへと向かいつつある富良野。のどかな農産地の雰囲気と調和した富良野モデルを描けるか、地域の力も問われている。(富良野支局の伊勢裕太が担当し、3回連載します)

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