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<追跡2021>タクシー運転手 相次ぐ受難 「70円不足」暴行受け重い後遺症 マスク、シート 届かぬ声 高まる攻撃性

 タクシー運転手が客から暴行される事件が道内で後を絶たない。昨年11月には札幌市内で運転手の男性が客の男から暴力を受け、首の骨を折る大けがを負った。自発呼吸や意思疎通ができない重い後遺症が残り、男性は入院生活を余儀なくされている。多くはささいなやりとりが発端で、新型コロナウイルス対策のため車内に設置されたビニールシートで運転手の返事が聞こえず、いらだちをぶつけるケースも出ている。

 昨年11月中旬の未明。タクシー運転手の松本康高さん(73)は札幌市中央区で、東京都の自営業の男(33)と女性を乗せ、近くのホテルまで走った。運賃は670円。同乗の女性が500円玉と100円玉を出したため、松本さんは「70円不足している」と指摘。男は500円玉2枚を払ったと勘違いし、激高した。

 「500円玉2枚だよな。何でわかんねーんだよテメエ」。男は防護板を壊した。さらに車外に逃れた松本さんを路上に押し倒し、首付近の服をつかんで引っ張り上げた。通行人が110番し、男は逮捕された。

 札幌地裁の公判で、傷害罪に問われた男は「運転手に腹が立った。冷静さを失っていた」と供述。男は強い力で引っ張っていないと主張したが、地裁は今月14日、「頸椎(けいつい)を完全に離断させる極めて強い力で、即死しかねない危険性を伴っていた」として懲役6年の実刑判決を言い渡した。

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