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【回答者 花形満弁護士】SNSで容疑者を非難 実は誤認逮捕

質問 30代主婦です。2週間前、ある男性が妻へのドメスティックバイオレンス(DV)で捕まったというニュースを目にしました。許せないと思った私は、自分がやっている会員制交流サイト(SNS)で「鬼畜夫」と非難してきました。ところが昨日、実はDVは妻の狂言で、誤認逮捕だったとのニュースが流れました。私も何か責任を問われるのでしょうか。

回答 相談者は妻へのDVで逮捕された男性をニュースで知り、それを信じてSNS上で「鬼畜夫」と投稿したとのことですが、これが男性への名誉毀損(きそん)となるのかが問題となります。名誉毀損となれば民事上の不法行為による損害賠償責任、さらには刑事責任を負うことにもなりかねません。

 名誉毀損が成立するためには、不特定または多数の者が知ることのできる状態で、具体的な事実(根も葉もないデマでも構いません)を示し、人の社会的評価を下げるという名誉毀損行為が必要となります。SNSで「鬼畜夫」と投稿するのは名誉毀損行為に該当する可能性が高いでしょう。

 ただ、この投稿が《1》公共の利害に関する事実であり、《2》もっぱら公益を図る目的のためであり、《3》示された事実が真実である場合には、責任が免責されます。

 犯罪についての論評は、一般的に公益性・公益目的があるといえますので《1》と《2》はクリアできますが、DVは妻の狂言ということですので《3》の真実性の要件を満たしていません。報道を信じた場合でも責任を負うのでしょうか。

 実は、相当な理由に基づいて真実だと誤信した場合にも責任は問われないとされています。そのため、報道を信じた場合には「確実な資料・根拠」に基づくものであると認められる可能性はあるでしょう。

 一方、報道が常に真実を伝えるとは限らないので、安易にニュースを信じ自分で調べなかったような場合には不十分とした例もあり、確実に免責されるとまではいえないでしょう。SNSは意見表明や情報の拡散には便利なツールですが、他人を誹謗(ひぼう)中傷するような投稿はしないのが重要です。(はながた・みつる)

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