PR
PR

コロナ後遺症、終わらぬ苦しみ 嗅覚異常や倦怠感、差別…「感染した時よりつらい」 札幌の女性SNSで体験発信

 新型コロナウイルスに感染し、後遺症に苦しむ人が道内でも増えている。嗅覚異常や倦怠(けんたい)感など見た目では分からない症状も多く、感染体験を発信している札幌市の女性の会員制交流サイト(SNS)には「胸の痛みが消えない」「学校で何を言われるか不安」などの相談が連日寄せられる。今後は変異株の後遺症が増える懸念もあり、専門家は「不安を感じる患者を社会全体で支えることが必要だ」と訴える。

 「感染した時より後遺症の方がつらいとは思わなかった」。昨年12月に新型コロナに感染・発症した札幌市の真琴さん(25)=仮名=は嘆く。38度台の発熱があり、軽症者向けの宿泊療養施設に1週間ほど滞在。帰宅後、自宅があるアパート4階までの階段の上り下りだけで息がつまり、30分以上立っていられなかった。今も食べ物のにおいが分からない状態が続く。

 差別的な扱いも受けた。2月下旬、行きつけのネイルサロンで感染した経験を話したところ施術を途中で打ち切られた。感染から2カ月たっており、人にうつす恐れはないと説明したが、「今日は帰ってください」と新しいネイルは付けてもらえず、エレベーターの中で泣いた。「私は社会の腫れ物なんだ」

■匿名相談に助言

 感染後、「コロナにかかったニート・真琴」の名前でSNSに体験談を投稿し始めた。宿泊療養施設に入る際に必要な持ち物などを発信してきたが、次第に同じ後遺症に悩む人からの相談が増えた。多い時は週に20人。「療養を終えて2週間、日に日に疲れやすさを感じて不安だ」という匿名の相談に「回復速度は人それぞれ。焦らず、前向きな気持ちを持って」と助言する。真琴さんは「後遺症についての情報を社会に広め、差別や症状に悩む人の助けになりたい」と話す。

 国立国際医療研究センター(東京)が昨年公表した調査結果では退院後も14日間以上にわたり、何らかの症状が出た人は7割超。せきや呼吸困難に加え、味覚や嗅覚の障害、倦怠感など第三者に伝わりにくい後遺症に悩む人も多い。

■完治するか不安

 昨年11月下旬に発症した道北の40代の事務職の男性は、退院から約4カ月たった今も息苦しさが残り、思うように仕事ができない。

 たまった仕事を片付けようと机に向かうが、頭がモヤモヤする。以前より計算作業などのミスも増えた自覚もあるが、感染で長期間休んだ負い目もあり、体調不安をなかなか言い出せなかった。「同僚から嫌われているのでは」と思い込み、退職を考えた時期もあった。「退院後は体調は良くなるばかりだと思っていたが、全く違った。完治するかもわからず、次はどんな後遺症が出るか不安だ」と漏らした。

 道内では感染力が強いとされる変異株の感染者が増えている。2月に後遺症診療専門の「コロナ・アフターケア外来」を開設した岡山大病院(岡山市)の大塚文男副病院長は「変異株は肺炎などの症状が重い印象があり、従来株とは違う後遺症が出る恐れは捨てきれない。ストレスや不安も体調不良の一因の可能性もあり、総合診療科など幅広く原因を探る窓口に相談してほしい」と話している。(金子文太郎、岩崎志帆)

【関連記事】
<デジタル発>「退院後が大変」 コロナ後遺症40代が語る
治療に没頭し感染、今も胸に痛み 札幌50代医師、恐ろしさ痛感

PR
ページの先頭へ戻る