PR
PR

道新幹線開業5年、利用増へ割高感克服が鍵 空路・海路と顧客争奪戦/独自サービス展開

 開業5周年を迎えた北海道新幹線の利用低迷要因の一つが、高止まりする料金設定だと言われる。早期購入割引が定着した空路や、ビジネス客を取り込むための各種割引が充実するJR東海と比べて割高感は否めない。フェリー各社も新型コロナウイルス下に特化したサービスを打ち出す。JR北海道は経営難とはいえ、乗客獲得に向けて割引制度やサービスの充実が求められそうだ。

■フェリーの3倍

 「運賃の安さを重視しているので、新幹線で帰省したことはない」。道教大函館校2年生で青森県出身の森龍之介さん(20)は、帰省のたびにフェリーを利用する。学割を使うとフェリーの運賃は片道2千円ほどで済む一方、新幹線利用なら通常料金は3倍超の7千円以上かかるからだ。

 森さんは首都圏での就職活動も考えているといい、「交通費をなるべく減らすため飛行機を選ぶと思う」。JR利用は東京―函館間が2万3760円で、最大75日前からの設定もある早期購入割引を使えば空路が安価となる場合が多い。

 新幹線運賃の割高感は、開業5年がたってもなお解決の道筋が見つからない。

 同じ距離の新幹線で比べると、函館―東京間(在来線区間含む、880・4キロ)の通常料金に対し、ほぼ同距離の東京―広島間(894・2キロ)の1万9440円と2割ほど高い。特急料金には青函トンネルの維持費や設備更新費が上乗せされる。また、一般的には乗車距離が長くなるほど値段の上昇が緩やかになる特急料金だが、JR東、JR北の走行区間にまたがることで新青森を境に距離計算がリセットされるため、割高となる。

■ビジネスに照準

 JR東海とJR西日本は年会費制を導入し、会費1100円で、当日の購入でも1450円を値引く。また、平日限定で割引を適用するなどビジネス層に手厚いサービスをそろえる。JR西日本は「乗車直前まで使える利便性の高い商品の拡大を図ってきた。ネット予約はビジネス客の利用が特に多い」と話す。

 一方、函館―青森間ではフェリーがサービスを拡充している。津軽海峡フェリーが昨年11月に導入した車での移動客に割安で個室を提供するプランは、コロナ下で人気があり販売期間を21年末までに延長した。青函フェリーが昨春始めたインターネット予約は最安1人1300円に設定するなど、顧客取り込みを図る。

 防戦が続くJR北海道も、インターネット予約限定で一部区間の料金が半額になる割引切符などを展開する。ただ、2月にはJR函館駅から乗車券を販売する窓口「ツインクルプラザ」が撤退し、ネットに不慣れな高齢者が“置き去り”となった。函館市内の経済関係者からは「より柔軟な割引制度が必要だ」と打開策を求める声が上がっている。(池野上遥)

PR
ページの先頭へ戻る