PR
PR

#コロナ禍で未内定 #「第二新卒」支援策 卒業後の就活、視野広げて

 この春、大学を卒業した後も就職活動を継続する人が例年より増えそうだ。コロナ禍に翻弄(ほんろう)され、内定を得られなかった2021年卒業予定の就活生(21卒)を取材した。彼ら彼女らは今後どのように就活を進めていけばよいのか。支援策も探った。(長谷川賢)

 航空会社でグランドスタッフとして働くことを夢見ていた藤女子大学4年の相川美里さん(22)=仮名=は、大手が本年度の採用を次々見送る中で「保安検査員でもいいから新千歳空港で働きたい」と警備会社を受け、いったんは内定を得た。だが2月中旬に勤務地が空港以外と分かり、悩んだ末に内定辞退を申し出た。「また最初からやり直すと思うと気が重い」と相川さん。3月、札幌新卒応援ハローワークで再び就活を始めた。空港勤務は諦め、カフェなどの接客業で良い求人がないか探す。

 新卒応援ハローワークは卒業後3年以内を支援対象としている。中川美枝室長は「心のケアも含め一人一人のケースに合わせて親身に対応している」と話す。札幌以外でも各地域の職安(道内22カ所)に新卒応援窓口が設けられているので、21卒は訪ねてみるといいだろう。

■オンラインで苦戦も

 小樽商科大4年の鈴木昇平さん(22)=仮名=も現時点で内定ゼロ。自分の長所をPRするのが苦手といい、「対面なら分かってもらえる部分もあると思うけど、オンラインだと質問もしづらくて、企業と良好な関係をつくれなかった」と振り返る。コロナで友人との交流も疎遠になり、大学からも足が遠のき、情報交換もできないまま17日に卒業式を迎える。「就活に消極的でそのままズルズル来てしまった。どうにかしなければ」と不安を募らせる。

 3月9、10日、札幌ドームで開かれた就活イベントには延べ5千人以上が来場した。主な対象は来春卒業予定の現3年生、いわゆる22卒だ。この中に21卒の田中良輔さん(22)=仮名=の姿も。道外の国立大の4年生で、出身地の札幌にUターン就職を希望している。「秋まで公務員を目指していて、うまくいかなかったので民間企業に切り替えたが、結局1社も内定がもらえなかった」。21卒向けのサイトは2月末で閉鎖され、企業の説明会が解禁された3月以降は22卒が主役だ。ある企業ブースを訪問した田中さんは「既卒もOK」と言われ「正直もう見向きもされないのではと不安だったので少しほっとした」。

 関係者によると、道内40大学の21卒の平均内定率は昨年12月末時点で80%前後で、前年同期に比べ5~10ポイント低かった。コロナ禍による選考遅れが響いているとみられるが、徐々に回復の兆しも。年度末には前年並みになる見通しの大学がある一方、授業のオンライン化で通学機会が減り学生の進路把握に苦慮する大学も少なくない。複数の大学で「卒業後も就活を続ける人は例年より増える可能性がある」としている。

■求められる柔軟さ

 21卒はどのように就活に臨めばいいのか。就活に詳しい大学ジャーナリストの石渡嶺司さん(45)は「まず出身校のキャリアセンターに相談しよう。オンライン面接用の部屋も貸してくれるところが多い。大事なのは志望する業界でなくても企業やそこで働く人に興味を持てるかどうか」と強調。視野を広げ柔軟に対応することが求められている。


 21卒と22卒の相違点など、石渡さんの解説を「どうしん電子版」に掲載しています。

<取材後記>卒業後おおむね3年以内の人を「第二新卒」と呼ぶ。厳密には既卒者だが社会人経験もなく新卒扱いに違和感はない。コロナ禍で再び就職氷河期を招かぬように―と政府は経済団体に「既卒」「新卒」の柔軟対応を求めている。就活を続ける21卒が不利にならず人材本位の採用を期待したい。(K)

PR
ページの先頭へ戻る