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<新刊と文庫>「関西酒場のろのろ日記」など

<単行本>

◆関西酒場のろのろ日記 スズキナオ著
 東京生まれ東京育ちの酒好きフリーライターが、35歳で大阪に移り住んだ。そこで見つけたのは、安くてうまくて元気がもらえる関東にはない大衆酒場の数々だった。駅ビルや商業ビルの中に多くの居酒屋が割拠する大阪ならではの酒文化を、ほろ酔いしながら楽しく紹介してくれる絶品の酒紀行。(Pヴァイン 1980円)

◆ヒトの探究は科学のQ 長谷川真理子著

 約20年にわたり新聞掲載された人類学者の著者による書評がもとになっている。スマホを使ったネットビジネスが人間の依存症を巧みに利用している実態や、女性の地位が向上すると人口が減る理由、老化の始まり、元素の成り立ちなど、生物、宇宙などのカテゴリー別に100項目の疑問に答える。(青土社 1760円)


◆生と死を分ける数学 キット・イェーツ著
 数学はわたしたちの人生のそこかしこに入り込んで生殺与奪の権力を握っている。病気の検査は一つより二つ受けたほうがよい理由。誤った計算で有罪に陥った例。メディアが掲げる数字が信用できるとは限らない。人々を感染症から守る数学など、世界を形作る冷徹な数の世界に驚かされる。冨永星訳(草思社 2420円)

◆傍聴者 折原一著

 実際に起きた「首都圏連続不審死事件」をモチーフに描いたミステリー。牧村花音はなぜか男性に好かれ、多額の金銭を受け取って暮らしてきた。しかし、練炭による自殺で次々に交際相手は亡くなる。限りなく怪しい花音に友人を殺されたと考えたジャーナリストが、身を呈(てい)して接近する。息詰まる法廷劇が繰り広げられる中、真相が明らかになる。物語が精緻に構成され、見事な仕掛けを作り出している。(文芸春秋 1925円)


◆開高健は何をどう読み血肉としたか 菊池治男著

 著者は開高健の死後、蔵書を整理した開高健記念会の理事。開高の愛読した書物を紹介する。開高は、小松清著「ヴェトナムの血」に影響を受けて「輝ける闇」を執筆したほか、サルトルの「嘔吐(おうと)」(白井浩司訳)を生涯読み続けたと指摘する。(河出書房新社 2090円)

<文庫・新書>

◆詰むや詰まざるや 伊藤宗看、伊藤看寿著、門脇芳雄編著
 江戸時代に作られた詰め将棋の伝説的古典「将棋無双」と「将棋図巧」。各百番ずつの問題を、詳細な解説ともに収録。その美しさから「神局」と呼ばれるものや、611手となる大作などが含まれており、詰め将棋という独自の世界における、一つの文化的到達点を示している。英文学者であり詰め将棋作家でもある若島正による、現代的視点からの解説と、最新情報の追加が巻末に付されている。(平凡社ライブラリー 1980円)

◆ノーマンズランド 誉田哲也著

 女子大生殺人事件を捜査する警視庁捜査1課の姫川玲子班は、20年前、埼玉県で発生した女子高生の庄野初海失踪事件にたどりつく。北朝鮮工作員による拉致被害をテーマに、娘を案ずる父と誘拐犯を追う初海の恋人だった江川の執念を織り交ぜて描く姫川玲子シリーズ。2017年刊を文庫化。(光文社文庫 858円)


◆いじめとひきこもりの人類史 正高信男著
 霊長類学・発達心理学者によるいじめをめぐる文明論。狩猟や「遊動」の生活から定住して共同体をつくる過程で、見せしめの排除が始まったとする。かつては排除されると、山人になるなど隠棲(いんせい)できたが、逃げ場のなくなった現代は、ひきこもらざるを得なくなったという。(新潮新書 792円)

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