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官僚の接待問題 癒着の実態解明が必要

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 贈収賄事件で在宅起訴された鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループの秋田善祺(よしき)元代表から国家公務員倫理規程に違反する接待を受けたとして、農林水産省は枝元真徹(まさあき)事務次官ら6人を処分した。

 接待には元代表とともに在宅起訴された吉川貴盛元農水相も同席していた。

 総務省も農水省に先立ち、菅義偉首相の長男正剛(せいごう)氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で幹部11人を処分している。

 倫理規程は1998年の旧大蔵省の接待汚職をきっかけに作られた。その後も官僚の接待問題がたびたび明らかになったものの、相次ぐ発覚は尋常ではなく、形骸化が極まったといえる。

 しかも、処分は倫理規程が禁じる「利害関係者からの接待」を外形的に認定しただけだ。接待の結果、利益供与はなかったかの調査が尽くされたとは言い難い。

 内部の聞き取り以外に、国会や第三者機関で癒着が疑われる構造の実態を解明する必要がある。

 農水省によると、接待は2018年10月と19年9月の計2回で計7人が参加した。既に退官した1人を除き、枝元氏ら3人を減給、3人を戒告などの処分にした。

 同省は「その場で費用負担を確認しなかった過失がある」と結論づけた。総務省も「利害関係者かどうかのチェックが不十分だった」などと説明する。

 しかし、注意を欠いた程度の「過失」で済む話ではない。特定の利害関係者から接待を受けること自体が行政の公正性を疑わせる。

 農水省は贈収賄事件を受けて第三者委員会を設置して調査している。総務省は内部の検証委員会に外部有識者を参加させる方針だ。

 お手盛りではなく、接待の目的や交わされた会話の内容などについて徹底的な調査が求められる。

 総務省の接待問題では、総務審議官時代に1回7万円超の飲食代を負担してもらった山田真貴子内閣広報官が衆院予算委員会に参考人として招致され、陳謝した。

 一方で辞任は否定した。同省を退官したため処分対象から外れたとはいえ、倫理規程に違反した人物は内閣の重要政策を広報する責任者として不適格だ。

 今回の接待の背景には首相や閣僚の存在がある。省庁幹部の人事権を首相官邸が握り、官僚の規範意識より忖度(そんたく)が優先して働いた帰結ではないか。

 菅首相は枝元氏や長男の国会招致を主導し、政官のゆがみを正す姿勢を明確にすべきだ。

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