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留萌線存続協議 道の主導が欠かせない

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 乗客が少なくJR北海道が廃止・バス転換を目指す留萌線(深川―留萌)について、留萌市が存続協議から離れることになった。

 道内の廃線対象5区間のうち、札沼線の一部など3区間は既に廃止または廃止予定だが、沿線自治体の対応の違いから存続協議が事実上分裂した例はない。

 今後は部分存続を要望する深川市と2町がJRと話し合う。JRは少なくとも年約3億4500万円もの地元負担を求めており、協議の難航が予想される。

 鉄道網をどう維持するかは道内全体の問題だ。赤字に苦しむ当事者間に解決を迫るのでなく、道や国の積極的関与が必要だろう。

 3市町を孤立化させないため、道が主導する形で存続協議の場を再構築すべきだ。全線廃線ありきではない支援を模索するよう国にも求めたい。

 JRは廃線基準を1日の輸送密度200人未満とする。留萌線は全区間では対象となるが、深川―石狩沼田間に限れば、高校生の通学利用も多く218人と上回る。

 こうした事情で同区間などの部分存続を求める3市町と、バス転換を図る留萌市の方向性の違いが鮮明になった。留萌市も含む沿線自治体会議は維持しつつ、3市町のみで新たな協議に臨む。

 とはいえJRは廃止方針を変えていない。3年前の国の監督命令で、この区間は鉄道以外の「地域の足となる新たなサービスへの転換」を求められているからだ。

 地元負担で存続方針の宗谷線名寄―稚内など8区間と違い国や道の財政支援はない。4億円を投じる観光列車SL冬の湿原号の検査改修も大事だが、JRは生活路線の留萌線に目を向けられないか。

 鉄道は公の財産だ。目先の採算性だけで廃線を決めれば禍根を残す。道路、空路も含め広域的な公共交通構築の視点も必要だろう。

 道や北海道運輸局はこれまで協議にオブザーバーとして参加してきた。だが本来ならば、道は各自治体とJRとの利害調整に当たる立場のはずだ。

 新年度の機構改革で鉄道担当局長を設置するというが、態勢を強化して協議をリードしてほしい。

 国の役割も大切だ。JR北海道は今も独立行政法人が全株式を持ち実質国有状態にある。国鉄改革が未完ともいえる現状で、路線改廃が沿線任せでは筋が通らない。

 廃線か否かという結果のみならず、地元の声を聞き、丁寧に議論を積み重ねる合意形成の大切さを忘れてはならない。

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