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デジタル化法案 個人情報保護を万全に

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 マイナンバーの活用には熱心だが、個人情報保護を高める方策が後回しになってはいないか。

 政府はデジタル改革関連法案を国会に提出した。9月新設予定のデジタル庁を司令塔として行政や社会のデジタル化を進める菅義偉政権の看板政策である。

 行政システムの刷新やマイナンバーカードの用途拡大などを掲げる。だが情報漏えい防止や安全確保の抜本策は見当たらない。

 新型コロナ対策の雇用調整助成金や接触確認アプリ「COCOA(ココア)」でのトラブルが示すように、政府によるIT活用の実態はお粗末と言うほかない。

 力を入れているカードの普及率が依然高まらないのも、政府の個人情報管理や監視社会化への不安が根強いからだろう。

 デジタル化は国民の信頼なくして進められないことを、政府は改めて肝に銘じるべきである。

 デジタル庁は500人規模で政府のシステムを統括し、他省庁への勧告権を持つ。重要なシステムは自ら整備する。

 事務方トップを含めて全体の2割以上で登用を目指すという民間人材の確保が課題になる。

 給与面だけでなく、任せる業務や指示系統など能力を生かせる仕組みづくりが欠かせない。

 自治体で異なるシステムや個人情報保護条例を、国が示す仕様やルールに統一する。コロナ禍でも問題となった自治体同士や国との情報共有、行政データの民間活用を進めるためとしている。

 ただ政府による自治体の統制が強まったり、行政サービスの民間移管が安易に進んだりしないように注視することが必要だ。

 システム受注で省庁や自治体の関連企業・団体が恩恵を受けるようなことがあってはならない。

 マイナンバーの活用では、希望すればひも付けした口座での公的給付金の受け取り、相続時や災害時の照会などが可能になる。

 マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載できるようにするほか、来月には健康保険証、2024年度末をめどに運転免許証との一体化も始める。

 利用は任意だが、将来は現行の保険証や免許証を廃止し、カードへの一本化を図るという。

 カードの機能や用途を広げるのなら、同時に安全対策を講じていくことが不可欠である。

 また高齢者などカードやスマホを持っていない人が不利益を受けることがないよう、慎重に進めることも忘れてはならない。

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