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嫡出推定見直し 無戸籍者生まぬ制度に

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 法制審議会の部会が、子が生まれた時期によって父親が誰かを推定する民法の嫡出推定制度を見直す中間試案をまとめた。

 離婚した直後などに別の男性との間に生まれた子の出生届が出されず、無戸籍になるケースが増え問題になっていた。試案は解決に向けた一歩と言える。

 無戸籍者の不利益は就学や就職、住宅の賃借に至るまで多岐にわたり、個人の尊厳にかかわる。

 法制審は、生まれてくる子の人権保護を最優先にしてさらに詰めた検討を行い、無戸籍の子をゼロにする制度改正を目指すべきだ。

 法務省によると無戸籍者は現在約900人で、その7割超の原因が嫡出推定制度にあるとされる。

 暴力などを理由に別れた前夫が戸籍上の父子関係になるのを望まない女性が出生届を出さないためで、見直しが議論されてきた。

 試案の柱は大きく二つだ。

 まず、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子とみなしてきた現行規定はそのまま残した上で、女性が再婚していれば、離婚からの日数を問わず現夫の子と推定する例外規定を設ける。

 しかし、これでは根本解決とは言い難い。対象が再婚カップルに限られ、事実婚や何らかの事情で結婚に至らないケースは前夫の子と推定されるからだ。

 パートナーと婚姻関係を結ばないカップルは今や珍しくない。多様化したライフスタイルを踏まえる必要があろう。

 もう一つの柱は、父子関係の推定を覆す嫡出否認の権利を父親のみから子にも拡大することだ。

 無戸籍者の救済につながる可能性はある。ただし母親には直接の否認権を認めず、子の代理で提訴できる仕組みにするという。

 父子関係の当事者ではないとの理由というが、法制審では男女平等の観点から母親にも認めるべきだとの論議もあった。再検討が求められる。

 疑問なのが、試案にDNA鑑定への視点を欠いている点だ。

 嫡出推定制度は、父子関係を早く確定し子の法的地位を安定させる狙いで明治時代につくられた。

 広く普及したDNA鑑定など科学的な手法を制度にどう組み合わせるか、といった時代に即した議論も必要ではないか。

 親が子を戒めることを認める懲戒権の規定を条文から削除することも盛り込まれた。虐待を正当化する口実に使われていると指摘されており、当然だ。体罰禁止の規定の追加も欠かせない。

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