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<みなぶん>接触確認アプリ 道内成果 650人に通知 6人陽性 不具合、個人情報 普及拡大に課題

 新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を知らせる国のアプリ「COCOA(ココア)」で、これまでに札幌、函館、小樽の道内3市の保健所管内で少なくとも650人以上が通知を受け、6人の陽性が確認されていたことが分かった。ココアについては「一定の効果がある」と評価する専門家もいるが、不具合で一部通知が届かないなどのトラブルも起きており、普及拡大には課題も多い。

 ココアは、アプリをダウンロード(DL)した利用者のスマートフォン同士が1メートル以内で15分以上接触した記録がスマホに残る。感染した利用者が保健所から発行された番号をココアに登録すると、過去2週間に接触した可能性がある人に通知される。読者と調査報道に取り組む「みなぶん特報班」に函館市の40代主婦から「身近に通知された人がいないが、成果は出ているのか」と疑問が寄せられ、道内の状況を調べた。

 厚生労働省によると、2月2日までのDL数は2460万件。米調査会社によると、2020年に日本で最もDLされたスマホアプリ(ゲームを除く)だが、DL数は昨年11月に2千万件を超えて以降、伸び悩んでいる。2日時点で国内全体の感染者は約39万人に上るが、アプリの陽性登録者は約1万人にとどまる。

 道内では札幌市、函館市、小樽市の各保健所が接触通知を受けた人からの相談状況を集計しており、道と旭川市はまとめていなかった。1月末までに、札幌市は接触通知を受けた延べ647人から相談を受け、このうち487人が検査を受けて6人の感染が判明した。小樽市は12人から相談を受け、11人が検査して感染者はゼロ。函館市は相談のあった1人が検査し、結果は非公表としている。

 ココア利用中にコロナに感染した道北の40代男性は、「発症後は入院準備や高熱もあり、アプリをすっかり忘れていた」と振り返る。「アプリをDLしたものの、地方では感染が特定されそうで自分から登録するのはためらわれる」とも話し、任意の陽性登録を避ける利用者も想定される。

 ココアを巡っては、国内のアプリ利用者の約3割が使うアンドロイド端末で昨年9月以降、陽性者との接触通知が届かない不具合が判明している。接触情報はスマホのみで管理されているため、厚労省は濃厚接触があったのに通知が届かなかった人の数を確認できない。札幌市保健所の担当者も「不具合の影響は把握できていない」と話す。

 北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は、アプリの通知を受け検査を行った人のうち1・2%で陽性が確認されていることを挙げ、「一定の割合の感染者が判明しており、成果は出ている。さらに効果を高めるには普及拡大が必要」と指摘。利用が伸び悩んでいる現状については「個人情報に関する根強い不安から利用をためらう人もおり、今回のアプリの不具合も不信感の増大につながりかねない。政府は国民の不安を払拭(ふっしょく)するPRをもっと強化すべきだ」と話した。(佐藤圭史、岩崎志帆)


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