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#さっぽろ圏の就業体験 #企業・業界研究 中小の魅力 現場で学ぶ

 学生が職業選択のために業界や企業を深く知りたいと思えば、インターンシップ(就業体験)を受けるのが一番の近道。いま、札幌市が初の試みとして3社の中小企業で1day(ワンデイ、1日開催)のインターンを対面式で体験することができ、ビジネスマナーもセットで学べる事業を行っている。その様子を取材した。

■「1day」で3社を回る

 「これは回線制御盤といって変電所が正常に機能しているかどうかを監視・制御する装置の一つで、電力インフラを支える重要な設備です」。1月12日、江別市にある電機・電子メーカーの電制。鉄骨造り約2千平方メートルの工場内にずらりと並ぶ大型機械の前で、同社の宮森勝浩総務人事部長(50)が説明を始めると3人の学生たちが真剣な面持ちで聞き入った。

 この日行われたのは「さっぽろインターンシップ促進事業」。札幌市と周辺11市町村の「さっぽろ圏」での就職を目指す学生と圏内の中小企業の出会いの場を、札幌市が各自治体と連携して用意する取り組みだ。「学生には中小企業の魅力を発見して地域に定着を、中小企業にはインターンのノウハウを提供して人材獲得の力を高めてもらうのが狙い」(雇用推進課)で、本年度から新規事業として始めた。

 実施時期は当初、夏休みと冬休みの予定だったが、新型コロナウイルスの影響で夏休みを春休みに振り替えた。冬は3コースで既に終了し、春は2月8日から15コースほど実施する。一つのコースの参加人数は5人までで、期間は最長で1カ月程度。その間に飛び飛びで計5日間、ビジネスマナーなどを学ぶ事前セミナー、3社の1day体験、他のコースの学生との情報交換会が行われる。企業の参加は冬が9社、春は現在募集中で50社程度の見込み。

 電制の訪問組は冬の企画として昨年12月21日に事前セミナーを受け、インターンは同社が1社目。最初に田上寛社長(67)が会社について「創業43年で従業員は110人。事業分野は電力、医療・健康、センサー類の三つ」と説明。さらに「自社ブランドの確立に努めて主力商品の一つの電気式人工喉頭『ユアトーン』は国内トップのシェアを占める」と語った。この後、商品説明や工場などの見学、若手社員と仕事の楽しさなどについての話し合いが行われた。

 2社目はレジャー用品などを扱う卸会社の「ナニワ」(札幌)で商品の陳列実習などを行い、3社目の建設コンサルタントの「エル技術コンサルタント」(同)では騒音測定などを体験。情報交換会は1月20日に札幌市内で開かれた。北大工学部3年の水落望乃香さん(21)は「卒業後は大学院に進む予定で、その先の就職を考えて参加した。企業の熱意が感じられて1dayでもとても楽しかった」と手応えを感じていた。

 
■対面研修 満足度高く

 他のコースで自動車販売会社などを体験した札幌市立大デザイン学部3年の吉田琴音さん(21)は「参加したのは自分に適した企業や業界を探すため。お客さまとの会話では要望をくみ取る深いスキルがあることを知り勉強になった」と満足げ。IT企業などを訪れた酪農学園大農食環境学群2年の江畑光孝さん(20)は「就職はまだ先だが、コロナで雇用環境が厳しくなると思い早めに動きだした。ビジネスでは顧客満足がいかに大切かが理解できた」と語った。

 今回の事業では少人数での実施や消毒の徹底など感染対策に力を入れている。札幌市は「新たな感染拡大の場合は遠隔開催に切り替える場合もあるが、学生の要望も踏まえてできるだけ対面の可能性を探っていきたい」(雇用推進課)としている。(青山実)

 対象は大学(院)、短大、専門学校などの学生で学年不問。実施期間は2月8日~26日、2月15日~3月11日、3月1日~19日。募集人数は約80人で先着順。申し込みはこちらから。問い合わせは東京リーガルマインド札幌支社(電)0120・974・739

<取材後記>インターンシップも最近はオンライン方式が増える中で、コロナ対策をしっかり行って可能な範囲で対面式を実施していく札幌市の姿勢は支持したい。実際、1dayでも学生の満足度は高いようだ。多くの学生がこの整えられた環境を生かして、理想の企業と出会えることを期待したい。(青)

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