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道のJR支援 設備投資の関与拡充も

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 JR北海道が地元負担を前提に存続方針の宗谷線名寄―稚内など8区間の利用促進策として、道は新年度から3年間、JRに観光列車を無償貸与する意向を示した。

 本来ならJRが負担する購入費を肩代わりし、国も補助する。毎年複数車両を投入する方向で、総額は数十億円に及ぶ見通しだ。

 あくまで観光振興の一環で期限付きの措置だが、道としては従来より踏み込んだ支援といえる。

 これを機に、車両や施設を行政などが保有する「上下分離」も視野に、抜本的な経営改善策を模索すべきではないか。

 一時的な支援でなく、道と国の関与や責任を明確に位置づけた枠組みにつなげてほしい。

 先週開かれた国土交通省やJRとの関係者会議で鈴木直道知事は「地域が可能な限り支援することが重要という考えは変わらない」と述べ購入方針を明らかにした。

 列車は道と国の補助で第三セクター北海道高速鉄道開発が購入して貸し出す。JRによると有償貸与の例はあるが無償は初めてだ。

 赤字が拡大する8区間の利用促進策では、道が沿線自治体と計年2億円の支援を2年間実施してきたのみだった。今回設備投資への関与に乗り出したことで、支援の質が変わることになる。

 購入する車両の数など詳細は今後詰める。ただ、新型コロナ禍の収束は見えていないため、投入時期の判断は難しい。

 8区間の赤字圧縮が目的なら、使途を限定した観光列車でなく、通常運行への転用も可能としたい。真新しい車両は沿線住民にとって目に見える支援となる。

 道や市町村、JRで構成する三セクの高速鉄道開発は、道東方面や宗谷線の高速化資金などを生み出すために作られた。体制を拡充し、道内の鉄道設備を保有する仕組みへの改編も検討に値しよう。

 3年前の関係機関の協議でも上下分離が浮上したが、財政負担などが折り合わず、立ち消えになった。コロナ禍でJRの経営危機は切迫しており再考の余地はある。

 JRが運行のみに専念すれば経営は身軽になり、路線改廃は公的な枠組みで議論ができる。道内を昨夏走った東急の豪華観光列車のような周遊型にも自由度が増す。

 三セクが鉄道設備を支えるには恒常的な財源の確保が必要で、国の関与が不可欠だ。

 国は既に新年度から3年間で総額1302億円の支援を決定したが、鉄道網維持の仕組みづくりにも積極的に関与する責務がある。

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