PR
PR

緊急事態拡大 危機認識あまりに甘い

[PR]

 政府が新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の対象に大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県を追加した。

 再発令された地域は4大都市圏を中心に11都府県に広がった。

 政府の対応はかねて泥縄式との批判が強い。今月初めの共同通信の世論調査では7割近くが「評価しない」と答えていた。今回も後手に回った感が否めない。

 菅義偉首相は年頭の記者会見で、飲食店への営業時間短縮要請を先んじて実施した大阪や北海道について「(感染減の)結果が出ている」と強調し、対象拡大に否定的だった。

 大阪は当時から収束には程遠かった。その後、道内を含め全国で感染が拡大している。

 危機への認識があまりに甘い。

 首相はきのうの会見では、外出自粛への協力を強く求め「何としても感染拡大を減少方向にもっていかなければならない」と述べた。

 ただその決意は著しく説得力を欠く。

 感染力が強い変異種が国内で次々確認されたのにもかかわらず、中韓など11カ国・地域とのビジネス関係者の往来は認めてきた。

 経済再生を重視する首相の意向が色濃い。首相はようやく一時停止を表明したが、決断が遅い。

 首相は宣言の対象外地域であっても、感染が拡大している地域なら、飲食店などに11都府県と同等の支援をする考えも示した。

 ただ、こうした小出しの対策を続けて、来月7日までの宣言期間内に収束できるのか。科学的な論拠を示した上での説明はない。

 国民に多大な制約を強いる宣言を出す以上、短期で終わらすために、広範に宣言を発令し、より大規模で集中的な対策を施すことも視野に入れるべきではないか。

 重要なのは、休業要請などへの補償を充実させ、抑止策の実効性を高めることだろう。

 なのに、政府・自民党が感染症対策での罰則導入に前のめりになっていることは見過ごせない。

 特措法の改正により、宣言の前段階から飲食店などに営業時間短縮を命令できるようにし、拒んだ場合は行政罰の過料を科すことを検討している。

 入院拒否や、入院先から逃げ出した際に罰則を科すための感染症法改正も俎上(そじょう)に載っている。

 私権制限については、慎重かつ冷静な議論が欠かせない。

 感染者の急増で入院したくてもできない人が大勢いる。医療体制の逼迫(ひっぱく)に全力で対処すべき時だ。

PR
ページの先頭へ戻る