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<こどもみなぶん>新型コロナ なぜ海外と呼び方違う? COVID―19とWHO命名前に政府が決定

 2020年は新型コロナウイルス一色の1年でした。

 千歳市の高校1年生、広瀬和希さん(16)は、ずっと気になっていることがあるそうです。「海外ではCOVID―19(コビッド・ナインティーン)と呼ばれているのに、日本ではどうして新型コロナウイルス感染症と呼ぶのですか」と質問してくれました。

 広瀬さんは、海外のニュースを見ていると、「COVID―19」と呼んでいたため、疑問に思ったそうです。国内と海外で、なぜ呼び方が違うのでしょうか。医師で感染症コンサルタントとして活動する北海道科学大客員教授の岸田直樹さんに聞きました。

 岸田さんによると、新型コロナウイルス感染症の正式名称は「COVID―19」です。「CO」は「corona(コロナ)」、「VI」は「virus(ウイルス)」、「D」は「disease(感染症)」、「19」は感染症が確認された「2019年」を意味します。世界保健機関(WHO)が命名し、2020年2月11日に公表しました。

 新型コロナのような感染症には原因となるウイルスがあります。新型コロナのウイルス名は「SARS(サーズ)コロナウイルス2」と言います。「SARS」は「重症急性呼吸器症候群」という意味です。国際ウイルス分類委員会が感染症名を「COVID―19」と命名したのと同時に、20年2月11日に発表しました。

 正式名称が「COVID―19」なのに、日本では新型コロナウイルス感染症という呼び方が広まりました。「正式名称が公表される前に日本政府が法令で定めた名称だからです」と岸田さん。感染症対策を担当している厚生労働省は「政令で使われている『新型コロナウイルス感染症』の呼び方にならっています」と話す。

 岸田さんは、こんなことも言っていました。「今後、『新型』を使わない別のより適切な名称に変わる可能性もあります」。どのような名称になるのか気になりますが、「どう変えたらいいか難しいですね」とも話しています。

 ウイルス名は「SARS」ですが、02~03年に世界で流行したコロナウイルスの感染症が「SARS」と呼ばれて既に定着しています。さらに、岸田さんは「今回の新型コロナは無症状から軽症の方までたくさんいます。SARSが意味する重症急性呼吸器症候群という名称は誤解を招く可能性があります。『SARS2』などとは呼ばない方がいいかもしれません」としつつ、「ただ、COVIDという表記も日本人にはなじみにくいと思います」と指摘します。

 呼び方によって病気のイメージが強く発信されることがあります。例えば正式名が「伝染性紅斑」という感染症は、一般に「りんご病」と呼ばれています。両頬が赤くなるため「りんご病」が使われていますが、その症状が現れない人もいるそうです。

 新型コロナという言葉は爆発的に広がった一方で、感染症に関するさまざまな情報も飛び交いました。まだまだ分からないことも多い新型コロナだけに、岸田さんは「新しい情報が出てきた時には、すぐに飛びつかず、冷静に反応をみることが大切です」と助言しています。(報道センター・佐藤圭史)

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