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ALS闘病中の大平まゆみさんが“肉声メッセージ” ラジオ出演時の音源で合成、13日公開

 筋力が徐々に低下し発声困難になる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表し、闘病中の元札幌交響楽団コンサートマスターの大平まゆみさん(63)が、過去に出演したAIR―G’のラジオ番組の音源を合成して“肉声メッセージ”を作成。13日朝、同局の番組と、どうしん電子版で公開する。元気な声の音源が残っていた奇跡と、闘病を支える関係者の尽力で、大平さんが再びファンに親しく語りかける。

 メッセージは第74回北海道新聞文化賞受賞に寄せた1分42秒。「音楽の力を信じて突っ走った第1幕は終わったが、既に始まった第2幕も、皆さんの温かい気持ちを力に自分らしく進んでいきたい」などと語る。

 視線の動きでパソコン画面の文字を選び、文章を入力する「意思伝達装置」と、あらかじめ録音しておいた自分の声を合成し、文章を音声に変換するソフト「ボイスター」を組み合わせて作成した。

 札幌市内の自宅で過ごす大平さんは今夏、意思伝達装置を導入したが、11月に予定された文化賞贈呈式では肉声で喜びを伝えたいと、ボイスターで使う自分の声の音源を探した。自身が2010~15年に出演した同局のクラシック番組「朝クラ!」で、編集前の音源143回分を保管していると分かり、提供を受けた。

 音源は明瞭で余計な音を含まず、合成にぴったり。家族も「ママの声、話し方そのまま」と驚く出来映えとなった。ボイスターを開発したヒューマンテクノシステム(東京)も「通常は発病してから声を録音するため、万全な状態ではないことが多いが、今回は本当に恵まれた」と話す。

 番組を担当する高山秀毅アナウンサー(55)は「大平さんらしい温かい声のメッセージに仕上がり、驚いた。新しい一歩を応援できてうれしい」。贈呈式がコロナ禍で中止されたため、放送での紹介を申し出た。

 発声困難な人にとってボイスターは有用なツールだが、意思伝達装置と違い導入への補助がなく、40万~100万円の負担となる。大平さんを支えるNPO法人iCare(アイケア)ほっかいどう(札幌)はこれらの装置の普及を進めており、佐藤美由紀理事は「声を失っても意思疎通の方法があることが広く知られてほしい」と期待している。

 メッセージは13日午前6時からAIR―G’「朝クラ!」で放送。終了後、どうしん電子版でも公開する。(山本哲朗)

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