PR
PR

GoTo見直し 判断があまりにも遅い

[PR]

 政府は、観光支援事業「Go To トラベル」の運用を一部見直すことを決めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止する措置を講じる。

 国内の新規感染者が連日、過去最多を更新する中、これ以上の感染拡大を防ぐために、経済活動にある程度ブレーキをかけるのはやむを得まい。

 ただ、専門家からは全国的な流行の「第3波」を懸念する声が以前から出ていた。政府の判断は遅きに失した感が否めない。

 「Go To」事業が落ち込んだ個人消費の回復を下支えした面はあるとはいえ、感染爆発を招けば経済の再生は遠のくばかりだ。

 政府には感染状況を冷静に見極め、機敏に政策を見直す姿勢が求められる。

 「Go To」事業の見直しは、政府の対策分科会が20日夜に出した提言を受けて決定した。

 予約停止の開始時期や対象地域などの具体的な内容は今後詰めるという。

 既存予約のキャンセル料の補助も検討するが、この3連休が対象になるかは不明だ。感染がさらに広がる懸念は拭えない。

 唐突な方針転換であり、準備不足は明らかだろう。

 事業は経済を重視する菅義偉首相の肝いりだ。感染の再拡大にも、首相は事業で感染した人は少ないとしてそのまま継続してきた。

 これに対し、日本医師会の中川俊男会長は医療提供態勢に関し「東京、北海道は逼迫(ひっぱく)している。ほかの地域も間もなく逼迫するだろう」と警鐘を鳴らし、感染拡大地域との往来自粛を呼びかけた。

 分科会の尾身茂会長もこのまま感染拡大が続けば「普通の医療ができなくなる」と厳しく指摘し、政府はようやく重い腰を上げた。

 分科会に先立つ参院本会議で、首相は事業の必要性を強調していた。医療崩壊への危機感があったか疑わしい。

 首相が事業継続にこだわるあまり、対応が後手に回ったのは明白である。

 首相は事業の見直しに合わせて、飲食店の営業時間短縮を要請した自治体が支給する協力金への財政支援策として、地方創生臨時交付金で500億円の枠を設ける方針も示した。

 これは交付金の未配布分を活用した急場しのぎにすぎない。時短の効果を上げるためにも、自治体が十分な協力金を支払える法的な裏付けを整えるべきだ。

PR
ページの先頭へ戻る